期待していたのは、ケーススタディの中身であって、それを導くための手法じゃなかったんですよね。手法を知りたいという人には良い本だと思います。
タイトルのつけ方と、カバーのデザインが秀逸です。マーケティングが上手なんでしょう。
■経営学の最強スキル「ケーススタディ」の方法を徹底解説
ケースタディは、統計的研究ではわからないコンテキスト(脈絡や状況)を読み取り、因果関係を解き明かすことができます。
本書は、ビジネス実務家および経営学を学ぶ人たちのためのケーススタディの教科書です。■世界最高のケーススタディを一挙紹介
本書は、ケーススタディのお手本として、世界で最も権威のあるマネジメントの学会、アカデミー・オブ・マネジメントが選出した「最優秀論文」を紹介します。
それらの論文は、通説とは異なる見解を提示したり、対立する見解を統合させたり、
意外な実態を明らかにしたり、不思議の発生メカニズムを解明したりしています。
皆さんが読んでも「そうだったのか」「なるほどな」と知的感動を覚えることでしょう。
「こうすればよかったのか」「気をつけないといけない」といった示唆を得ることもできると思います。■私たちは常に「ブラックスワン」と向き合っていく定めにある
人や組織の行動において、「そんなバカな! 」と叫びたくなることは次々と起こります。
それはあたかも、白い白鳥しか知らない人の前に、黒い白鳥が舞い降りるようなものです。
重要なことは、通説とは違うことがなぜ起きたのか、その謎を解明することです。
そのために最も適した方法がケーススタディです。■ケーススタディの3つの力とは?
・人間の知性を活発にする力(思考力と観察力との親和性)
・複雑な現象へ対応する力(因果関係を読み解く力)
・「アナロジー・ベース」で将来を切り開く力(前例が少なくても有効な仮説を導く)