あの人が消えた、最初から最後まで騙され続け、それがイヤな気持ちにならないという独特な映画でした。

あの人が消えた、最初から最後まで騙され続け、それがイヤな気持ちにならないという独特な映画でした。

ホラーなのか、ミステリーなのか、コミカルなのか、掴めぬまま、監督の思惑通り、心地よく振り回されました。

冷静に考えれば、あり得ないことだらけなんですが、あんまり気にならなかったです。そして、伏線の回収率が半端なく高いのも、すごいなと思いました。

それにしても染谷将太の演技はうまいですね。どんな役でもこなせちゃうんですね。

 

「次々と人が消える」と噂されるいわくつきのマンションの担当になった配達員・丸子。日々マンションに出入りして荷物を届ける彼は、その住人のひとり・小宮は自身が愛読しているWEB小説の作者ではないか? と察して、密かに憧れを抱いていく。その一方で、挙動不審な住人の島崎に小宮のストーカー疑惑が持ち上がり、丸子は会社の先輩で小説家志望の荒川の協力を仰ぎ、他の住人たちに聞き込みを開始。引っ越し先を探している沼田や、詮索好きのおしゃべりな女性・長谷部から「島崎の部屋に血だらけの女がいた」「血痕が付いた服を着た姿を見た」という目撃情報を聞き、彼を危険人物と断定する丸子。小宮を守りたい一心で部屋に単身侵入を試みるが、運悪く帰宅した島崎と鉢合わせてしまう!時を同じくして、世間を揺るがす大事件を追っていた警視庁がマンションに接近!?一触即発の緊張感が流れ始めるなか、事態は思わぬ方向へと突き進んでいく―。

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🎬 『あの人が消えた』について

(2024 年/監督・脚本:水野 格)

あらすじ

とあるマンション「クレマチス多摩」。そこには「次々と人が消える」という噂があった。配達員の丸子(高橋文哉)は、毎日このマンションに荷物を届ける中で、住人の一人・小宮千尋(北香那)がウェブ小説投稿サイトにハマっていて、実は彼女こそ作者ではないかと気付き、密かな憧れを抱えていた。

丸子はまた、小説家志望の先輩・荒川(田中圭)の助言で住人たちの挙動に目を向けるようになる。怪しげな住人・島崎(染谷将太)の部屋に血痕の目撃情報があり、小宮がストーカー被害にあるのでは?という疑念が膨らむ。

調査を進めるうちに、丸子はマンション住人の“秘密”に深く足を踏み入れていき、やがて予想を超えた“事件”に巻き込まれていく。

良い評価

  • フィルムログなどでは「ホラーかと思わせてミステリーだった」「章ごとに構成が変わる仕掛けが面白い」という声があがっています。

  • トーキョー女子映画部レビューでは「伏線回収しまくり」「観終わった後に誰かと語りたくなる」など、鑑賞後の余韻を楽しむ向きの評価も。

注意・批判されている点

  • 映画.comのレビューでは、「ストーリーは面白かったが、映画としては少し冗漫」という感想も。

  • また、「トーンの切り替えが急で、ジャンルが定まらず戸惑った」というレビューも。

総評
斬新なミステリー構成と“何が本当か分からない”という仕掛けが魅力。ただし展開のテンポやバラエティを好まない人には少し重く感じる可能性あり。前情報を入れずに観た方が驚きやインパクトを強く享受できるとの声も多いです。


🎥 類似の映画・おすすめ作品

以下は『あの人が消えた』とテーマや構造が近い作品です。ミステリー・サスペンス・マンションなど閉鎖空間的な設定が共通しています。

  • バトル・ロワイアル:若者が閉ざされた場所で生き残りをかける設定。心理戦と暴力の緊張が似ています。

  • スマホを落としただけなのに:日常の延長にある“危機”、信頼や恐怖をテーマにしたサスペンス。

  • CUBE 一度入ったら、最後:閉鎖空間での謎解き・生存ゲーム。構造的な“抜け出せない怪異”という点で通じます。

  • そして誰もいなくなった:密室で次々と人が“消える”構成。誰がどう動いているかを推理する興奮があります。

  • 告白:登場人物の心理・秘密・復讐が複雑に絡み合う構造で、暗く深いテーマ性も共通。