重松清は素晴らしい小説を書くと思うけれど、エッセイはそれほどでもない気がしました。

重松清は素晴らしい小説を書くと思うけれど、エッセイはそれほどでもない気がしました。
この記事は 2 分で読めます

明日があるさという文庫本を読んでそう思いました。

雑誌にちょっとだけ連載したものを集めただけのものだからかもしれませんし、時代背景を共有できていないからかもしれません。

ただ、最後まで読み切ることができなかったのは、事実です。

二〇〇一年の秋に単行本『セカンド・ライン エッセイ百連発!』として刊行された、ぼくの初エッセイ集の文庫版です。タイトルを『明日があるさ』にあらため、構成もまるっきり変更して、収録エッセイ数を絞り込んだぶん、「流れ」の見える一冊になったのではないかと思っています。

あえてザラ紙を使い、個々のエッセイのタイトルもなく、三段組みあり二段組みあり一段組みあり……と、雑誌の体裁を意識してつくった『セカンド・ライン』は、ある意味では、フリーライター・重松清の色合いを濃く残した一冊でした。あれから三年半、『セカンド・ライン』のおもちゃ箱のようなにぎやかさを愛しつつも、もうちょっと文章をじっくり読んでいただきたくなって、「作家リミックス・バージョン」をお届けすることになりました。二〇〇一年には三十代だったぼくが、いま四〇代になっている――そんなことも影響しているかもしれません。あいかわらずショボいことしか書いていませんが、一人でも多くの読者の方々に出会えることを祈っています。どうぞお楽しみください。