インベージョン、ベタな感じはあるものの、手に汗を握って見てしまいました。

インベージョン、ベタな感じはあるものの、手に汗を握って見てしまいました。

ありがちなストーリーだけど、集中して見ちゃいました。

バイオハザード的なホラーに、ちょっとだけ人情味を入れた感じで、それが余計だと思っている人もいるかもしれませんが、ホラー一色のものより私は好きです。血みどろの映像は苦手という事情もありますが。

ニコール・キッドマンも、いい感じでした。

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原作は、これまで『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』など3度も映画化され、日本でも「ウルトラセブン」の1エピソードに似た設定が登場した、ジャック・フィニィの小説「盗まれた街」。ある日突然、自分のまわりの人間の行動がおかしくなる。外見は何ら変わらず、人格が変移しているという物語だ。主人公はニコール・キッドマンが演じる精神科医。ある液体に感染すると、睡眠中に人格が乗っ取られるという事実を知った彼女が、眠気と闘いながら、愛する息子に迫る危険を必死に避けようとする。

無表情の人間が街に溢れ、彼らが襲ってくる展開には、どこか往年のSF映画のテイストがあり、ここを懐かしいと思うか、古くさいと思うかで本作の評価が分かれるだろう。B級のノリが楽しめるかどうかもカギだ。感染者のフリをして無表情に徹するニコールの演技は、彼女らしい、いい意味での人形のような美しさが際立ち、ハマリ役。母親の息子への愛と彼女の壮絶な決意が大きなテーマとなっているが、その裏では、人間の次に地球を支配するのは何か、という静かな恐怖も漂っている。「地球は人間のもの」と、おごれるわれわれに、この「原作」は警鐘を鳴らしているのだ。(斉藤博昭)