凄く、考え抜かれたストーリー展開です。
最初は、命がかかっているので、ちゃらちゃらした感じのラヘルの脱出を、だらだら観る映画なのかと思ったら、事態は急転し、レジスタンスの仲間に加わり、ナチスの将校の愛人になるという展開。
みんなが嫌いなフランケンに天罰が、と思ったときに、するりと逃げられて、ああ、裏切者がいたのかと気づかせられるわけなのでけども、黒幕が誰かわかりにくく、いったい誰なんだと盛り上がります。
そして、最後にはすべてがつながっているという、サスペンス的な伏線回収ができていて、清々しい気持ちで終わります。
とは言え、根底には、戦争の悲哀が流れており、とてもいい映画です。
超おすすめなんで、騙されたと思って、見てください。
1944年、第二次世界大戦時ナチス・ドイツ占領下のオランダ。若く美しいユダヤ人歌手ラヘルは、ドイツ軍から解放されたオランダ南部へ家族とともに逃げようとするが、何者かの裏切りによって家族をナチスに殺されてしまう。復讐のために名前をエリスと変え、ブルネットの髪をブロンドに染め、レジスタンスに身を投じる。そしてナチス内部の情報を探るため、ナチス将校ムンツェに近づき、彼の愛人となることに成功するが…。 果たして真の裏切り者は誰なのか?すべての鍵を握る<ブラックブック>とは?
いろいろと参考になるレビューがあります。
本作でメガホンを取るのは、「ロボコップ」(1987年)「トータル・リコール 」(1990年)「氷の微笑」(1992年)で一時代を築いたポール・バーホーベン。
ハリウッドでは、上記の三作で一躍人気監督になるものの、続く「ショーガール 」(1995年)「スターシップ・トゥルーパーズ」(1997年)は興業的に振るわず、「インビジブル」(2000年)を最後に故郷オランダに戻るんですね。
そして、ハリウッドで得た名声で資金を集め、制作費25億円というオランダ映画界始まって以来の大作として制作・公開したのが本作『ブラックブック』です。(以下省略)
そういえば、氷の微笑、犯人は誰だったんだろう???