大学を卒業する人だけでなく、社会人何年目になっても、役に立つでしょう。
ただし、深さについては古典にはかなわないと思います。
著者自身、自分と向き合って考えることが大切と言っていますが、昔の人はインターネットもテレビも新聞もないので、四六時中、向き合っていたせいだと思います。
http://www.amazon.co.jp/dp/4478017697
「自分に誇りを持ち、自分を信じ、自分らしく、媚びない人生を生きていって欲しい。そのために必要なのは、まず何よりも内面的な強さなのだ」
著者が、家族同様に大切と考えているゼミ生の卒業へのはなむけの言葉「キムゼミ最終講義 贈る言葉」がこの本の原点になっています。
将来に対する漠然とした不安を感じる者たちに対して、今この瞬間から内面的な革命を起こし、人生を支える真の自由を手に入れるための考え方や行動指針を提示したのが本書『媚びない人生』です。
韓国から日本へ国費留学し、アジア、アメリカ、ヨーロッパ等、3大陸5か国を渡り歩き、使う言葉も専門性も変えていった著者。その経験からくる独自の哲学や生き方論が心を揺さぶられます。
「従順な羊ではなく、野良猫になれ」
「瞬間を生きる。次の瞬間、死んでもいいように」
「結果に対する全責任を負う決意に基づいた選択は、常に正しい」
「若い時代の漠然とした不安というのは、ネガティブな証拠なのではなく、ポジティブな証拠なのである」
「努力してなかなか結果が出ないときほど、喜ぶべきだ。最終的に得る結果は大きくなると信じて、努力し続ければいい」
「社会にある分類は、実は自分の力で超えられる。誰も見たことのない地図へと塗り替えよ」
「クリエイティブは、事前許可なしに生まれる。事前許可なしで動ける人間であれ」
「目的地がない船には、どんな風も順風になることはない」
「肯定のオーラの起点となる。与えることに喜びを感じる人になる」
「ボーダーを超えた異端児は、社会に対する説得のプロセスと証明のプロセスを経て、社会のリーダーになっていく」
など、著者の熱い言葉にやけどしそうになります。
「人間は確実に死ぬ。死んだ後に、君はどんなふうに人々に記憶されたい?君の生きた証しというものについて、君はどんなふうに今、語れるだろうか」
著者が、若い人たちにこの質問を投げかけると、多くの人が言葉に詰まり、やがては大粒の涙をこぼし始めるといいます。
みんな一生懸命に生きている。必死で目の前の物事と格闘している。しかし、思うような結果が出せない。 自分が努力していることが自分の目指す明るい将来につながっているのだろうか、と不安になり、この質問の答えがわからなくなり涙があふれるのです。
著者は、そんな時「他人の目、他者の目を意識するな」「そうやってもがいている自分は正しい」という言葉を贈ります。
「君の涙は自分と、自分の人生に真剣に向き合っている証拠なのだ」と。著者自身もそうだったのです。
「自分と向き合い、悩みなさい。そして、どんな瞬間においても、自分のことを信じなさい」という著者の言葉が、体に染みこみずっと心の中にあふれていきます。
この本は年齢を問いません。青春の志にあふれる方には是非読んでいただきたい1冊です。