叡王戦と比較して、菅井八段との差を広げたという印象でした。びっくり。
将棋の藤井聡太王将(21)=竜王、名人、王位、叡王、王座、棋王、棋聖との八冠=が8日、東京・立川市の「オーベルジュ ときと」で前日から指し継がれた第73期王将戦七番勝負第4局で、挑戦者の菅井竜也八段(31)を先手の121手で下し、シリーズ4連勝で王将3連覇を果たした。タイトル連続獲得記録も58年ぶりに更新し、史上最多の20連覇を達成した。
最終盤まで、右肩を落とし前のめりに構える“ファイティングポーズ”を崩さなかった藤井は、会見場にやってきて、やっと穏やかにほほ笑んだ。「記録は意識はしていなかったのですが、逆に意識して目指せるものでもないので光栄なことと思っています」。この1勝で1966年に大山康晴十五世名人が樹立したタイトル戦19連覇の記録を弱冠21歳で更新し、20連覇を達成。「伝説上の方」(藤井)を超えた。
藤井にとって振り飛車党・菅井と2度目のタイトル戦。決着局の戦型は菅井の角交換型振り飛車となった。日頃から「面白い将棋を指したい」と言っている藤井は、序盤から「一歩得する形を生かせれば面白いのかなと。持ち時間の長い将棋なので力戦もできるかなと考えた」と、自ら乱戦模様に持ち込んだ。