- 2021/05/24
追悼ということで、古畑任三郎を久しぶりにTVerで見ました。あたりまえだけど、田村正和が若い。
トリックは、チープすぎるんだけど、テンポとか盛り上げ方とか、さすがは三谷幸喜だな、と思わせるものでし……
まず、最初は誰が語り部なのかわからなく、いったいどういうことなのと思ったが、わかってくるに従って、引き込まれて行きました。テンポがいいので、読みやすかったので、それほど気にならなかったです。
真犯人も結局、推理できなかったのと、そんなトリックは現実的じゃないとも思うけどけど、まあ、納得です。清々しく読み終わりました。
とくに、最後はキレイにすべての伏線が回収されていて、うまいなぁ、の一言です。
細部になりますけど、私の中で、釈然としないのは、真犯人の動機に全く共感できなかったことと、パスワードが当たるわけないじゃんっていうことですかね。
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。
著者:浅倉秋成
発行:2021年3月 KADOKAWA 刊行(角川文庫版もあり)
ジャンル:青春ミステリ、就活サスペンス
導入:
人気のエンタテインメント企業「スピラリンクス」の新卒採用。最終選考まで残った 6人の大学生。当初は「全員合格」が念頭にあった試験プランで一致団結し準備を重ねるが、突如提示される新たな条件――「最終的に合格できるのは1人のみ。6人で選んでください」――により、彼らは“仲間”から“ライバル”へと立場を変えざるを得なくなる。
彼らの元に、6通の封筒が見つかる。各人物に宛てた封筒には、それぞれの「秘密」「過去の罪」あるいは醜聞が書かれている。これにより、信頼関係は揺らぎ、疑心暗鬼が広がる。
試験会場という密室で、投票や議論、封筒の開封と隠匿、アリバイの検証などを通じて、誰が犯人か、誰が内定者かを見定めようとする展開が続く。
また、本書は「8年後の回想インタビュー」パートを交える構成を持ち、過去の事件を時間を経て再構成・問い直す視点も挿入されているという特徴もあります。
伏線の張り方・反転構造の巧みさ
読者は何度も予想を裏切られ、結末に至る伏線回収の鮮やかさが称賛されています。 感想ブログでは「伏線の炙り出し」「チェーホフの銃をちゃんと使っている」などのコメントが見られます。
人間心理・多面性を描く深さ
登場人物たちは一面的ではなく、善/悪・強さ/弱さを併せ持つ人間として描かれており、「人は多面的である」というテーマに共感を呼んでいます。
読みやすさとテンポ感
緊張感ある展開がテンポよく進む点が多くの読者から好評。物語を一気に読ませる力があるという声も目立ちます。
就活という“リアルな舞台設定”との結びつき
若い読者・社会人読者からは「就活=社会の縮図で人間関係が露わになる場面」としてリアリティを感じるという感想が出ています。
受賞・話題性
本屋大賞の候補に選ばれたこともあり、メディア露出・話題性が作品評価を高めています。
登場人物の多さ・把握の難しさ
6人それぞれに秘密があり、名前・背景を把握するのが読者にとって少々負荷になる、という声があります。
ラストや解決の満足感の違和感
一部読者は、結末や動機の説明部分に「もう少し納得させてほしかった」「爽快さが足りない」という印象を持ったとの意見も。
タイトル先行感・期待とのギャップ
タイトルからもっとダークで刺激的な“嘘吐き”の描写を期待する読者にとっては、実際の表現が婉曲・心理戦重視なので物足りなく感じる場合あり。
ミステリとしての破綻を指摘する声
設定や論理に無理があるところ、またヒントの提示方法に読者の理解力を試す部分が強いという意見も見られます。
演出上の情報量過多
封筒の内容、証拠、時間軸、登場人物の背景…情報が膨大で、物語に追いつくのが大変という声もあります。
『六人の嘘つきな大学生』が好きな方には、心理戦・秘密・どんでん返し・登場人物の多面性が楽しめる以下の本が特におすすめです。
タイトル | 著者 | おすすめ理由 |
---|---|---|
そして誰もいなくなった | アガサ・クリスティ | 一か所に閉じられた登場人物、秘密と謎が次々と明らかになる設定は、本書と共通する緊張感。 |
容疑者Xの献身 | 東野圭吾 | 犯罪ミステリ+登場人物の人間性・動機が重層的に描かれており、感情面も揺さぶられる。 |
贖罪の奏鳴曲(そくめいきょく) | 湊かなえ | 登場人物の秘密と嘘が交錯する構造。人間ドラマ寄りのミステリ要素強め。 |
来訪者は二度ベルを鳴らす | 江戸川乱歩 | 密室・誘拐・心理の怪異を扱う古典ミステリ。構成力と謎の強さが魅力。 |
フラグタイム | 伊坂幸太郎 | 多視点・時間経過・伏線構成など、読者の予想を揺さぶる作風が似ている。 |