トランスポーター、きれいにまとまった映画だけど、ちょっとアクションが非現実的すぎるのが好きになれない。

トランスポーター、きれいにまとまった映画だけど、ちょっとアクションが非現実的すぎるのが好きになれない。

映画の出だしの部分から、惹きつけられる展開なんですが、いかんせん、カーチェイスなどのアクションがあまり好きじゃないので、個人的には盛り上がりませんでした。

アクションが全面に出ているのを、もう少しサスペンス色を出したらいいのにと思うのですが、それは好みの問題ですね。

リュック・ベッソンが製作し、監督はフランスの若手ルイ・レテリエと、香港のコーリー・ユン。主演はイギリスのジェイソン・ステイサムと台湾出身のスー・チー。東西の才能が文字通り、がっぷり四つに組んだアクション。内容物は一切関知しない「運び屋」を仕事にする男が、「人間の女」を荷物として任されたことから、組織の陰謀に巻き込まれていく。
ストーリーとしてはとくに新味はないものの、アジアとヨーロッパ(ハリウッドでないところがミソ)の融合が、アクション・シーンに新しさを生み出している。マーシャル・アーツの技がダンスのように振り付けられ、空中を舞う華麗な銃撃戦。そこに軽快なヒップホップ系の音楽がかぶさり、一見アンバランスながら独特の世界が現れる。ステイサムのクールな演技に対し、スー・チーも異彩を放っているが、ややヒステリックな芝居が多く、彼女の個性が生かしきれていないところが、ちょっぴり残念。(斉藤博昭)