- 2017/10/22
アタック25の予選に満を持して参加。絶対にトップ賞と思っていたら、まさかの筆記試験で落ちちゃいました。涙、涙、涙。
テレビでクイズ番組を見ていると必ず参戦する私。そして、いつも解答者を和歩のようにガラ悪く、ディスる私……
スポーツとかだと、好きというのがわかるけれども、所謂サラリーマンの会社での仕事とか、受験勉強だったりすると、好きで好きでたまらないということは考えにくいので、どこまで自律的にできるのかというのが疑問だからです。
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20180307-OYT8T50008.html
「中学、高校の部活動を指導していた頃、『不在の監督の代わりにベンチに置いた人形に挨拶あいさつする』(という不条理な)儀式を強いるバスケットボール部の指導者や、砂利の上でタックルの練習をさせるラグビー部の指導者の姿を見ました。私も指導者になったばかりの頃は、『俺について来い』と選手を引っ張っていました。早く成果を出して認められたい思いが強かったので、そうした指導になってしまいました。このやり方には即効性があり、一定の成果は出ました。しかし、それより上を目指しても成果を出せなかったのです」
「(『俺について来い』の指導で育った)『指示待ち』の選手は、自分では考えないので、指示されたことをこなす以上の成長はできませんでした。その上、頭ごなしに『意味はわからなくても黙ってやれ』と命令して従わせるやり方は、(選手にとって)楽しくないので、やる気も引き出せませんでした。『(強敵を倒し)さらに上に行くためには、どうすればよいか』を選手が自ら考え、創意工夫する道を私がふさいでいました」
「抑圧的な指導をやめて分かったのは、選手は、自律的に始めたことにこそ充実感を感じ、没頭する。仲間と目標に向かっている一体感を得られれば、それが体力的、精神的にきついことであっても『楽しい』と感じて頑張ることができる、ということでした」
「人は好きなことを、夢中になって没頭して、楽しんでやっているときの集中力は高い。こうした状況は『フロー』と呼ばれ、最も良いパフォーマンスができるといわれています。だから、『スポーツを楽しむ』ことは上達や勝利につながりやすいのです」
「アメリカの心理学者、エドワード・デシ氏らの研究でも『やること自体が楽しいから取り組む』という内側から湧き上がった動機は、最も力になるとされています。この研究では、『できないと罰を与える』『できたら報酬をあげる』という『アメとムチ』的な指導は、『やること自体が楽しい』という自律的な取り組みよりも、やる気を引き出す要素としての順位が低い、としています」
「『アメ』も駄目なのかと意外に思われるかもしれません。アメリカの心理学者、マーク・レッパー氏らの実験ですが、絵を描くのが好きな園児に『上手に絵を描けたら賞状をあげる』『何もあげない』という条件を分けて比べてみると、何ももらえなかった園児は意欲に変化はありませんでしたが、賞状をもらった園児は『自律性が損なわれ、意欲が低下した』という結果になりました」
「自分自身が楽しむために絵を描く行為が、報酬欲しさの『仕事』に変わってしまうと、自律性は失われます。心理学用語で『アンダーマイニング効果(基礎を掘り崩す)』といい、『褒めて伸ばす』ことにも注意が必要であることを示しています。上記の例では『うまく描けた』という結果だけを褒める(賞状を与える)と、『褒められたいから』という報酬への期待が生じてしまいます。この場合は、描くまでの『努力の過程』を褒めることが、自律性を損なわないやり方だとされているのです」
「長時間の練習や授業前の早朝の練習(朝練)には効果がないと感じています。長時間で休みのない練習では、選手たちが集中力を欠き、疲労もたまってケガにつながりやすくなります。大事な試合前にケガをすれば、結局、勝利にはつながりません。一方、朝練は学生の場合、必ず(その後の)授業がおろそかになります。だから、帝京大ラグビー部ではやっていません。授業は記憶力や理解力のトレーニングにもなります。豊かな人間になるためにも、スポーツに費やす時間と勉強に費やす時間のバランスが大切なのです」
「練習時間を増やせば、技術力が向上するというのは間違った考え方だと思います。練習では状況に応じたプレーや戦術を学びますが、脳がボーッとした状況では、覚えが悪く、効率も悪くなります。睡眠時間の確保も大切です。疲労回復だけでなく、学生(や生徒)の場合は(身体の)成長にも不可欠だからです」
「選手に競争させて少数の勝者をつくり、それ以外の落ちこぼれを作るというやり方では、(チーム内が)ギスギスした人間関係となり、組織力は低下します。『カメ型』の選手は焦らせないようにして、少しだけ上の目標を設定して導いてやると、急にできるようになるときが来ます。『ウサギ型』は油断したり、チャレンジ精神が落ちてしまったりするので、こちらにも少し上の目標設定をしてあげて、チャレンジ精神をくすぐっていく方法で導いていきます」
「自分が“体育会系”タイプの指導を続けていた頃、(心の中にあった思いは)『子どもたちに勝たせたい』ではなく、『俺が勝ちたい』でした。自分が認められたくて、目の前の結果にこだわっていました。今は結果だけではなく、選手たちが卒業して、社会人になってからも活躍することが喜びになっています。このような選手たちの大学時のゴールと将来のゴールの『ダブルゴール』に指導者としてのやりがいや価値を見いだせば、目先の結果だけにとらわれず、選手たちとともにスポーツを楽しみながら、勝利を目指す組織作りができると思っています」