バズる文章教室、「バズる」とあるけど、これは販売戦略上の表現で、普通のわかりやすい文章教室の本です。意外にイイです。

バズる文章教室、「バズる」とあるけど、これは販売戦略上の表現で、普通のわかりやすい文章教室の本です。意外にイイです。

このブログをバズらせたくて仕方のない私。「バズる」というキーワードに敏感に反応して読みました。

 

・・・

 

いや、全然、バズらないし。

著者からすると、バズるに王道なし、ということで、読者を意識した、良い文章を書けばバズるはず、という理論なんでしょうが、きっと、そんなことはないです。

段階で言うと、悪い文章→良い文章→バズる文章、というイメージなので、バズるためには、最低限の条件として良い文章である必要があるというのは、なんとなく納得できるのですが、バズると良い文章の間のギャップが最大のギャップじゃないか、と思います。

だから、ちょっと期待はずれ。

 

でも、読み進めると、意外に良い本。世の中でうまいと思われる文章を、どこがうまいのかを解説してくれるはありがたいです。一部、見解の相違みたいなところもありますが、大部分は気づきを得られて良かったです。

 

筆者が分析してくれた結果はかなり細かいので、とってもざっくりまとめちゃうっと、「驚き」と「リズム」じゃないかと思います。

  • 「驚き」は、内容的に読者を惹きつけるための工夫で、斬新な結論を持ってくるとか、珍しいたとえを持ってくるとか、予想外のところで〆ちゃうとか、面白い問題提起をするとか、です。
  • 「リズム」は、目と耳の両方の要素があります。目だと、読点の使い方だったり、一文、一段落の長さだったり、漢字やカタカナの使い分けなどがあります。耳だと、韻を踏むとか、五音とか七音を使うとか、対句表現、倒置法などがあります。

今後も、ちゃんとした文章を書くことを心がけながら、ブログを更新していきたいです。

 

『バズる文章教室』は、〝文才〟と言われる「すぐれた文章感覚」を、できるだけ平易な言葉を使って解説する本です。
主にブログやSNSなどで日常的に、自分の考えや体験などを発信している人に役立つようにと考えて作りましたが、めったに文章を書かない人にも、これから文章を書いてみようと考えている人にも、あまり知られていない「読みたくなる文章のからくり」を楽しんでもらうことをめざしています。

CHAPTER1
バズるつかみ
良心的釣りモデル しいたけの誘引力
未解決疑問モデル 星野源の未熟力
質問一般化モデル 佐々木俊尚の身近力
嵐の前モデル 村田喜代子の展開力
時制変更モデル 森鴎外の寄添力
対にしてみるモデル 北原白秋の配合力
炎上回避モデル 山﨑ナオコーラの冒険力

CHAPTER2
バズる文体
5音9音ぶつ切りモデル 村上春樹の音感力
曖昧共感モデル かっぴーの弱気力
会話割り込みモデル 林真理子の強調力
名詞止めモデル 綿矢りさの簡潔力
過剰口語モデル 三浦しをんの台詞力
仮名8割モデル 向田邦子の柔和力
硬質筆致モデル 井上都の冷静力
接続詞省略モデル 恩田陸の快速力
壁ドンモデル 橋本治の豹変力
人柄調節モデル 上橋菜穂子の親身力v フィルターモデル 永麻里の代弁力
ゆっくり語りモデル 開高健の実直力
映像記録モデル 司馬遼太郎の撮影力
対照的造語モデル 三島由紀夫の対比力
主観バリバリモデル 谷崎潤一郎の気分力
ヨガ文モデル 紫原明子の息継力

CHAPTER3
バズる組み立て
妄想上昇モデル 秋元康の裏切力
結末省略モデル 江戸小噺の小粋力
同意先行モデル 高田明の視点力
倒叙ミステリーモデル さくらももこの配慮力
フォロー先行モデル こんまりの豪語力
主張進化モデル 齋藤孝の更新力
配役固定モデル 上野千鶴子の一貫力
譲歩逆説モデル 塩谷舞の先読力
感情一般化モデル 有川浩の共感力
長調短調モデル 藤崎彩織の旋律力
擬人化代弁モデル 武田砂鉄の錬金力
重ね合わせモデル 山極寿一の置換力
永世中立モデル 岸政彦の中立力
段階的説明モデル 瀧本哲史の要約力

CHAPTER4
バズる言葉選び
片仮名強調モデル 俵万智の合図力
共通言語投入モデル 松井玲奈の国民力
意味拡大モデル J・K・ローリングの超訳力
虚構現実往復モデル 阿川佐和子の声掛け力
過剰造語モデル 宮藤官九郎の激化力
一文はずしモデル よしもとばななの意味深力
二人称語りかけモデル 山田ズーニーの一対一力
余韻増幅モデル 岡本かの子の言い残し力
違和感モデル ナンシー関の警告力
白い肌雪の肌モデル ビジネス書の隠喩力
緊張と緩和モデル 又吉直樹のかぶせ力