上昇志向というか、出世欲の強いリーダーは、かなりリスクが高いと私も思います。残念ながら、リーダーに選ばれる確率は高いんですけど。

上昇志向というか、出世欲の強いリーダーは、かなりリスクが高いと私も思います。残念ながら、リーダーに選ばれる確率は高いんですけど。

やりたくないと言っている人より、やりたいとアピールする人のほうが、なんとなく、成功しそうに思いますもんね。

でも、実際は、リーダーになりたいという人の動機が不純なことが多いので、うまくいかないんじゃないかな、と思っています。

 

私の考えでいうと、管理職になりたいと思って、管理職になる人にあまりいいリーダーはいないのです。例えば、土下座をしてでも政治家になりたいということで、政治家になる人が、いい政治家になるでしょうか。

みんなから、ぜひ政治家になってほしい、ぜひ管理職になってくれ、ぜひ社長になってくれと請われて、「でも、自分はリーダーには向いていない、自分には自信がない」。それで断りながらも、「自分のことだけを考えてはいけない、自分はこの仕事を引き受けるしかないのだ」と思い至って、そのような自分に与えられた運命を、自分の意志で、強い意志で、引き受けるような人でないと、いいリーダーにはなれないと思います。

誰もリーダーになってほしいと望んでもいない、周りの人が「あんな人がリーダーでは困る」というような人が、自信があるからと「自分がリーダーになるのだ」と言い張る、ということでは困るのです。

むしろ、自信がなくて、周りが「もっと意欲的になったほうがいいのに」と、はらはらするくらいの人が、リーダーになったときにこそ、リーダーとしての真価を発揮できるだろうと、私は思っています。

だから、自分に自信がないからといって、そのことを苦にする必要は全然ないと、私は思います。

 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00087/073100071/