嫌われる勇気を読んで、アドラーの基本的な考え方に共感しました。というよりも、漠然と思っていたことを明文化してくれたという感覚です。

嫌われる勇気を読んで、アドラーの基本的な考え方に共感しました。というよりも、漠然と思っていたことを明文化してくれたという感覚です。
この記事は 3 分で読めます

かなりのベストセラーになっている本で、題名がセンセーショナルなので読むことにしたのですが、期待を大きく上回る本でした。青年と哲人の会話という形式は、青年の反応が過剰すぎて、普通に、そして、端的に説明してよとも思いましたが、内容は素晴らしいです。

一番のポイントは、「人間の悩みは対人関係がすべて」というところと、「人間の行動にはすべて目的がある」というところでしょうか。

2つをミックスすると、「対人関係で傷つかないように、もしくは、プライドを満足させるように(=目的)、行動する」ということになります。

例えば、引きこもりは、社会に出ていって、自尊心を打ち砕かられるのを回避するために都合よく体を変調させているという解釈もできるし、非行も、いい子を演じることができなくなって、親の注目を集めるために行動しているという解釈もできるわけです。

そういう症状に悩んでいる人たちには、かなり厳しい話ですけど、とっても納得感があります。

自分自身のことを考えても、過剰反応する部分というのは、劣等コンプレックスがあったり、傷つくのを恐れていたりすると自分でも認めざるを得ないからです。

また、多くの人が新しいことをして変わることの不安感と戦うよりも、現状を維持する安心感の中で愚痴を言いながら、変われない理由を探すほうが楽ですし。

そして、変わる勇気、対人関係の問題から解放されるには、「他人に認められたいという欲求」でなく、「自分が役に立っているという貢献感」が重要とのこと。何となくわかりますね。

子どもは親に認められようとして、無理して自分を失うのだろうし、サラリーマンは上司に認められようとして、ストレスの中を生きていくのでしょう。

深い深い話。そして、それが現代における競争社会へのアンチテーゼになっているような気がします。競争は競争で人類の発展において重要だとも思うんですけど。

 

本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を知って、あなたのこれからの人生はどう変わるのか?もしくは、なにも変わらないのか…。さあ、青年と共に「扉」の先へと進みましょう―。