だいたいわかるということが大切なのかもしれませんし、わからないことをわかるようにしたいということが大切なのかもしれません。
まあ、1手で勝敗が分かれる棋士とダメサラリーマンの私とでは、かなり置かれている立場は違いますけど、若手社員とディティールのところで競い合っても勝てないということは、何となく自覚しています。
着手を考える際も、40代半ばの今は、20代、30代の頃とは変わってきました。最初に局面全体の方向性を大ざっぱに、感覚的にとらえて、そこから細かいところをロジックで詰めていくというプロセスじたいは以前とあまり変わりませんが、局面全体をとらえるところに力を傾ける比率が、以前に比べて上がっています。
最初から細かいところにこだわって理詰めで追っていくと、効率が悪い。指し手を読んでいって、この筋はだめだとわかったら、おおもとに立ち返るわけですが、それを繰り返していたのでは、時間と体力の消耗が大きいし、的外れなところにとらわれて考え込むこともあります。
それよりも、最初の段階である程度「こういう方向性でいこう」とか「とりあえずはこの手で」というのを決め、ポイントを絞ってそこに集中する。つまり「見切りをつける」ということですが、これまでの経験の積み重ねがあって、それができるようになったのだと自分では思っています。
Yahoo!ニュース – 若手に負けぬための秘密の習慣 (プレジデント).