エディー・ジョーンズとの対話、コーチングの本として、大変、有意義な内容で、できることから真似したいと思いました。

エディー・ジョーンズとの対話、コーチングの本として、大変、有意義な内容で、できることから真似したいと思いました。
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コーチングとは信じること、というサブタイトルもいいです。そして、しきりに繰り返しているコーチングはアートというのも共感できます。そして、裏付けが根性論ではなくて、サイエンスというのも共感できます。リーダーや指導者が根性論に走ることほど、迷惑なことはないですからね。

「試合に向けて練習計画を練るのはコーチの仕事です。では、練習をどうやって計画していくのか? そのベースになるのはサイエンスで、科学的なデータなどをもとに具体的なメニューを作っていきます。たとえば、1週間にどれくらい練習した方がいいのか、そうした計画は科学的な裏付けに基づいていなければなりません。ただし、ラグビーのような団体競技の場合、同じプログラムを選手全員に渡したとしても、そのメニューに対して期待通りの反応をする選手と、そうでない選手が出てくる。ひょっとしたら、何らかの理由でまったく反応しない選手が出てくるかもしれない。では、どうするのか?」

「選手一人ひとりにとって、何が必要なのか、それを見極めるのがコーチングにおける『アート』なんです。選手個々の能力を引き出すためには、どのようなコミュニケーションを取るべきなのか。それこそ数限りないケースが考えられるわけです。その見極めにこそ『アート』が生まれる余地があります。」

ここらへんなんか、ゾクゾクしちゃいますよね。

試合に向けての練習計画の前に、試合に勝つために必要な実力と現在の実力とのギャップを見極めると作業があり、それをもとに練習計画ということで、コーチングとは目的達成のために、自分以外の誰かに結果を達成させるためのプロセスの方法論なんだと思います。

もう1つ、多くの人が注目しないスタッツだけど、重要なものを発見し、その数字をKPIとして設定するのもコーチングのアートなところですよね。本では、試合で寝ている時間を減らすという例が載っていました。

あと、

「怒るときには、勇気が必要です。もちろん、逆効果になる場合もありますから。私はチームの流れ、雰囲気を敏感に察知することが大切だと思います。チーム全体が落ち込んでいるときには、ソフトなアプローチをかけた方がいいでしょう。私が怒りをぶつけても、それに反発するだけの力がないこともあるからです。怒るのは選手たちにまだパワーが残されているときでなければいけません。あと、いつも怒っていては、効果はなくなってしまう。怒られることに慣れて、選手の感覚が麻痺するだけです。感情的になる場合は、タイミングを見極めなければなりません。これも、まさにアートの領域です」

これは、冷静に怒るということなので、まさにアートです。アートというよりも、プロフェッショナルと言うべきでしょうか。

 

ラグビー弱小国・日本は、なぜ世界と戦えるようになったのか――。

2012年4月にエディー・ジョーンズ氏がラグビー日本代表HC(ヘッド・コーチ)に就任してから3年、日本代表はジョーンズ氏の緻密なコーチングで着実に力をつけ、世界ランキング10位に入るまでになった。
そして、9月18日からイングランドで開催されるワールドカップでは、ベスト8を目標に掲げて世界の強豪に挑むことになる。
これまでのW杯での対戦戦績は1勝21敗2分、ラグビー弱小国・日本は、ジョーンズ氏のもと、どのようなコーチングを受けて世界の強豪と互角に戦えるようになったのか。
「プロのコーチングはビジネス」と言い切り、「コーチングはアート」とも語るジョーンズ氏。
これまでW杯でオーストラリア代表を準優勝、南アフリカ代表を優勝に導いた知将は、
すでに日本の強みと弱みを見極めて、チームにすぐに変化をもたらしている。W杯ではジャパンをいかに勝利へと導くのか。
ラグビーだけではなく、欧州のプロサッカーリーグ、NBAバスケットボール、NFLアメリカンフットボールなどのプロスポーツのコーチングを研究し、心理学、統計学などジャンルを超えてあらゆる知識を貪欲に採り入れ、「コーチングでいちばん重要なのは、選手に自信を持たせることだ」と語るジョーンズ氏の「勝つための哲学」を10時間以上にも及ぶインタビューから明らかにする。
ラグビー/スポーツのジャンルにとどまらず、「弱小組織が世界で戦って勝つため」に必要な思考法を経営者やビジネスマンなどにも幅広く伝える。巻末の「エディー・ジョーンズが選ぶ、指導者なら読んでおきたい15冊」も、ビジネスマンには非常に参考になる。