「人生成功」の統計学、って内容は薄っぺらいけど、アプローチの仕方が斬新で素晴らしいです。

「人生成功」の統計学、って内容は薄っぺらいけど、アプローチの仕方が斬新で素晴らしいです。

自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則、っていうのが素晴らしいです。

名著を調べて、共通する内容を抽出するという、完全に他人のふんどしなんですが、開き直ってしまう、というところが、本当に凄いと思います。

で、その8つというのも、よく聞く話で、「あら、そう」というレベルですが、それでも、この結論を得るだけで、私は満足できました。違う考えの人も多いとは思いますが。

  1. 願望達成をイメージする。言葉に出す。
  2. ポジティブになる。楽観的になる。
  3. 自分の直感や内なる声に従う。
  4. 他人に奉仕する。与える。
  5. 人生の目標や目的をはっきりさせる。
  6. 他人に思いやりを持つ。許容する。
  7. 楽しいこと、楽しい仕事に取り組む。
  8. 自分の価値観や求めているものを知る。

の8つが最強成功術だそうです。うがった言い方をすると、多くの名著で書かれていることってこんなことなんですね。健康の秘伝という本で、「早寝早起き、適度な食事と運動」と言っているようなもんです。

あと、名著を50冊もあげてくれているので、読書リストができて助かります。でも、結論がわかっているので、わざわざ読むか、という気持ちにもなってしまいますが。

 

本書は、過去に出版された膨大な数の自己啓発書の中から現在も根強く読み続けられている代表的な名著50冊を抽出、そこに書かれてある共通要素を分析していますが、考えてみただけですごい大変な作業だと思いませんか? さらに論理的根拠を検討・検証していく…。根気以上に高度な能力が要求される作業です。これを実際にやれてしまうところが、さすが「文学部哲学科」の人だと脱帽しました。