クソ設計事務所のせいで、ひどく住みにくい家になっちゃいました。
ちきりんのリノベーションの本が家を建てるときに出て入れば良かったのにと思う、今日この頃。
自宅をリノベーションすることを決めたあと、ネット上の情報を検索しまくり、同時に大量のリノベ本を読みました。
それらは間取りやインテリアのヒントを得るためにはとても役立ったし、「私もこんな部屋に住みたい!」という夢を膨らませてくれました。
でもその一方、知りたいのに見つからない情報もたくさんありました。たとえば「リノベにいくらかかったか」は書いてあっても、そもそも予算をどう立てればいいのかはどこにも書いてありません。
もっとも重要なリノベ会社選びに関しても、「雑誌を見て相談に行ってみたら、すばらしい担当者に出会えた」とか「話を聞いているうちに、ここなら任せられると思った」といった抽象的で情緒的な説明が多く、再現性がありません。そんなことを考えながらリノベ会社への相談を始めてみると、次々と知らなかったコトがわかってきました。
そのなかには「こんな重要なことを理解しないままリノベを始めるのは無茶だよね!?」と思えるようなコトも。たとえば、リノベ会社に相談に行けば大半の人が「費用はどれくらいかかりますか?」と聞くはずです。
でもこの質問にはまったく意味がありません。
「リノベにはどれくらいの期間、かかりますか?」という質問も同じです。
理由については本書を読んでいただくとして、私がこれらに気づいたのはリノベを始めたあとでした。雑誌を読み、関連サイトを見ながら考えていた「こんな感じの部屋にしたい!」という夢も、途中で諦めました。
いろいろな理由で「できない」「やるべきではない」とわかったからです。私は文筆活動をしていたので、こうして得られた多くの学びを「これからリノベする人」にも共有したいと考え、本を書くことにしました。
本書ではリノベ会社選び、契約から設計、施工、引渡までの各プロセスについて詳述しており、「リノベしたい。でもどこから始めればよいのかわからない」という1年前の私のような方や、新築か中古+リノベかで迷っている方にはとても役立つ実用本になったと思います。この本の最大の特徴は「徹底的に顧客目線で書かれている」ことです。
リノベやリフォームに関する本の多くは、設計士やリノベ会社などプロによって書かれており、「専門的で詳しいけれど、初めてリノベする客の気持ちがわかっていない」と思うこともよくありました。だからこの本は、リノベ業界で仕事をされている方にもぜひ読んでいただきたいと思っています。
なぜならここには「顧客目線で見たとき、リノベのなにがわからないのか、なにが戸惑いの源なのか」具体的に説明されているからです。
業界の方が本書を読んでくださり、専門家と素人である客の距離を少しでも縮めていただけたら、とても嬉しく思います。