こういう考え方で整理して見たらぐらいなものとして扱うなら、全く問題ないですが、なんでも、このフレームワークに当てはめれば、解決すると思っている人たちって、どこか抜けている気がします。
なぜ、これがイマイチだと思うかと言うと、「1つの観点からではなく、各要素の整合性とバランスが重要」と言っちゃっているからです。もはや、解釈自由王国です。恣意的に説明できるので、コンサルにとってはいいツールだなぁ、と思います。
今回、解説する「7S」は、コンサルティング会社で代表的なマッキンゼーが考案した組織マネジメントのフレームワークです。
企業に必要な経営資源は7つあると考え、その中には戦略や組織などの3つのハード要素と、人材やスキルなどの4つのソフト要素があると提唱したものです。
そして、企業の変革を行うためには、ハード要素とソフト要素のどちらにもアプローチする必要があるという考えを主張しています。このフレームワークは多くの経営者や、企業コンサルタントも重要な概念であると捉えています。
【3つのハード要素】
1.戦略(Strategy)
競争優位性を維持するための事業の方向性、企業経営をするうえでの優先順位、事業の指針となるものです。組織の構成や、事業の仕組みを作るうえでも根幹となる部分になりますので重要なポイントです。市場の変化を常に観察し、その時々でとるべき戦略を考える必要があります。2.組織(Structure)
企業内でのレポートラインや組織構造のことです。戦略を実践するうえでは、適した組織の形にする必要があります。時には、組織構造を持ち株会社や事業部制に変更することで新たな戦略への対策をとることもあります。3.社内の仕組み(Systems)
企業内での人事制度や評価制度、会計、情報などを管理する仕組み全般を指します。従業員が多い組織であればあるほど、組織を運営していくための仕組みは重要となってきます。【4つのソフト要素】
4.人材(Staff)
「人材」は企業で従事する従業員に関わることです。活躍する人材を獲得(育成)するうえでの採用や社員教育も含まれます。加えて、従業員のモチベーション管理も人材要素の中では重要なポイントとなります。5.社内のノウハウ(Skills)
会社が企業活動で蓄積してきたノウハウを示すものです。営業のコネクション、技術力、マーケティング力など組織が経験を積み重ねた結果、強みとなっている要素です。6.経営スタイル(Style)
企業経営における方針や風土となるものです。その企業「らしさ」が経営スタイルです。トップダウンかボトムアップか、スピード重視かクオリティ重視かなどのように企業の特徴を示すものが経営スタイルです。7.企業の価値観(Shared Value)
企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を指します。企業の価値観について社員が共通認識を持っていることが重要です。企業が持つ価値観が従業員まで浸透していなければ、企業は目的を達成することができません。