- 2015/09/11
その日のまえに、再度、読み直しました。短編に関係があるのが、余計だったような気がします。
卒業ホームランを読んで、とても良かったので、電車の広告か何かで見たことのある「その日のまえに」を読む……
奇跡が起きるわけでもなく、主人公たちの悲しい別れを演出して号泣させるわけでもなく、でも、死の恐怖と向き合っていくストーリーが、すごく良かったです。
リアルさが伝わってきて、逆に、深く感動しました。
数万人に一人という不治の病で余命が10年であることを知った二十歳の茉莉。彼女は生きることに執着しないよう、恋だけはしないと心に決めて生きていた。そんなとき、同窓会で再会したのは、かつて同級生だった和人。別々の人生を歩んでいた二人は、この出会いをきっかけに急接近することにーーもう会ってはいけないと思いながら、自らが病に侵されていることを隠して、どこにでもいる男女のように和人と楽しい時を重ねてしまう茉莉。ーー「これ以上カズくんといたら、死ぬのが怖くなる」。思い出の数が増えるたびに失われていく残された時間。二人が最後に選んだ道とは……?