- 2015/01/01
2015年、最初に観た映画は、ゼロ・ダーク・サーティでした。少し間延びしたけど、途中はかなりハラハラしました。
映画館に行ったわけでなく、ひかりTVですけど。 ビンラディンを捕える実話に基づく話ということで、すご……
杓子定規に評価するのではなく、個人の特性を見て、適切な仕事にアサインするのが大切ということだと思います。
私が勤めているような古い体質の会社だと、失敗しないこと、欠点を直すことにばかり注力しているように思えるのですが、もっと楽しくやって欲しいですね。
すぐれたマネジャーは何をし、何をしないのか。世論調査で有名なアメリカの調査機関ギャラップが、8万人のマネジャーと100万人の従業員に行ったインタビュー調査をもとに、その点を解明したのが本書である。
調査は次のような道のりをたどって行われている。まず「すぐれたマネジャー」かどうかを見極めるため、各職場の従業員に一連の質問を投げかける。質問は調査の過程で抽出した12の項目からなり、従業員が最高のパフォーマンスを発揮し、高い生産性を上げているかを問うものだ。そこで高得点を出した職場のマネジャーがすぐれた者になる。
しかし、12項目にはマネジャーが一見、矛盾する責任をまっとうしなければならないものが含まれている。すべてに高得点を出すのは、常識では不可能になる。つまり、すぐれたマネジャーは、常識では考えられないアプローチをとっているのだ。
この結論から、本書はすぐれたマネジャーのアプローチを「4つのカギ」にまとめ、それを実践する方法を説き明かしている。経験や知識ではなく才能で部下を選ぶこと、部下の欠点を直すのは時間の無駄なので強みを徹底的に生かすこと、つまり誰もが持つ才能をパフォーマンスとして開花させるのがすぐれたマネジャーである、というのがその骨子だ。これには、従来から信じられてきたマネジメントの基本的な考え方と隔たっている部分があり、非常に新鮮に映る。
本書からこれまでのビジネス書にない説得力を感じる人も多いだろう。その理由は、すぐれたマネジャーはどこが違うかという謎解きに、読者を引き込んでいく独特の叙述スタイルだけにあるのではない。世の中の傑出した人物の言葉を即、真理と決めてしまうのではなく、それをあくまでサンプルとして扱い、より深い原則を見ようとする実証的スタンスにある。この「調査結果」を信頼する人は、マネジャーとしての懐を広げることができるだろう。(棚上 勉)