どうすれば自分を変えられるのかという手段の話ではなく、そもそも人間の脳はどういうシステムなのかを明らかにしているところが斬新でした。
手段に納得できると、その手段をやろうという意欲がわいてきます。勉強をしろと言われても、ピンと来ないけど、勉強するとどういう効果があるのかがわかると、まあ、やろうかなと思えるのと同じです。
ベストセラーになる理由がよくわかります。
http://www.amazon.co.jp/dp/4479793631
■「一度きりの人生が最高の人生に変わる講義」
・脳は1つでも自分は2人いる
・呼吸を遅らせれば自制心を発揮できる
・食べ物で『意志力の保有量』が変わる
・体にリラクゼーション反応を起こす
・自制心は筋肉のように鍛えられる
・「望む力」をつくりだす
・やる力とドーパミンを結びつける
・手軽な快楽の経済学
・「割引率」が10年後の成功を決める
・「他人の欲求」が自分に感染する
・「あなた2・0」に会うこれまで抽象的な概念として見られていた「意志」の力についての考え方を根本的に変え、実際の「行動」に大きな影響を与えてくれる本書、目標を持つすべての人に読んでもらいたい一冊である。
結局、自分がどう理解したのかのメモです。
人間には生き抜くための闘争・逃走本能があり、これにスイッチが入ると体中のリソースが特定の目的のために使われる。この衝動を前頭前皮質にある意思力でコントロールできるかがポイント。
衝動を起こすしくみとして、欲望を引き起こすドーパミンという物質があり、これは、実際に知覚したリアルなものに反応する。だから、目の前から、欲望の対象となるものを遠ざけてやるだけで、衝動は起きにくくなる。また、これは欲望であって、達成したからといって、幸福感を得るわけではないらしい。
意思力を弱めるものとして、未来の自分を実力以上に評価する幻想や、成果がわずかながら出ただけで満足してしまうことや、ちょっと成果が出ないとヤケになってしまうということがある。何かをやめるという目標よりは、何かをするという目標を立てるほうが良い。そして、将来どのようになりたいのかを望む力が重要である。
参考までに、脳内物質について調べたところ、
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1221813582
ドーパミン
脳のいろいろな場所で喚起レベルをコントロールし、身体面の動機づけを与える。パーキンソン病のように、ドーパミンが極端に少なくなると、自分の意志で前に進むこともできなくなる。精神的な停滞状態にも、ドーパミンがかかわっているとされる。逆にドーパミンの過剰は精神分裂病に見られ、幻覚を引き起こしたりする。幻覚を誘発する薬物は、ドーパミンの分泌に働きかけている。
セロトニン
プロザックという薬で強化される神経伝達物質で、「幸せの」物質と呼ばれたりもする。たしかに気分や不安感に大きな影響を及ぼし、セロトニンの分泌がさかんだったり、あるいは過剰に反応すると、気分が晴ればれして、楽天的になる。それ以外にも、睡眠や食欲、血圧にも関係している。
アドレナリン
ストレス反応の中心的役割を果たし、血中に放出されると心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開きブドウ糖の血中濃度(血糖値)を上げる作用などがある。交感神経が興奮した状態、すなわち「闘争か逃走か」のホルモンと呼ばれる。動物が敵から身を守る、あるいは獲物を捕食する必要にせまられるなどといった状態に相当するストレス応答を、全身の器官に引き起こす。
ノルアドレナリン
興奮性の化学物質で、身体的、精神的に高ぶった状態をつくりだし、気分を高揚させる。脳の「快楽中枢」とも呼ばれる青斑核で作られる。
アセチルコリン
脳のなかで注意、学習、記憶に関する領域をコントロールする。アルツハイマー病の患者は、大脳皮質のアセチルコリンレベルが低くなっている。そこでアセチルコリンの働きを活発にする薬を投与すると、記憶力が改善することがある。
エンケファリンとエンドルフィン
脳内で作られる一種の麻薬で、痛みをやわらげ、ストレスを減らし、海の上に浮かんでいるような感覚を引きおこす。呼吸などの身体機能を低下させ、依存状態を作りだすことがある。