映画上の話ですが、警察や検察、そして、裁判官までもが酷いですね。
痴漢も痴漢の冤罪も、満員電車で激混みだから、起きるわけで、コロナで通勤電車が減った今となっては、痴漢そのものも激減しているのではないでしょうか。
ガラガラの電車でやったら、それは痴漢でなく、文字通り、強制わいせつですから。という意味だと、鉄道会社の責任ってそれなりに大きかったのでは、と思います。
話を映画に戻すと、この映画は、主人公がやっていないということを、観ている私たちはよく知っているので、すごく感情移入しやすい映画で、こっちがハラハラしました。
小日向文世が出てきた時点で、ああ、もうダメだぁ、と思いました。悪い役も名演技ですね。

あらすじ(ネタバレあり)
就活中の青年・金子徹平(加瀬亮)は、面接へ向かう満員電車内で女子中学生から痴漢だと訴えられ、駅員室→警察へと流される。本人は一貫して否認するが、取調べでは「認めればすぐ出してやる」的な圧力で“ストーリー化された調書”が作られていく。
当番弁護士や周囲からは示談・自白を勧められるが、徹平は「やっていない」一点で戦う道を選ぶ。元裁判官の弁護士・荒川(役所広司)らが弁護団となり、法廷で証言の矛盾や捜査側の組み立てを突くが、刑事裁判の現実(“疑わしきは”が機能しにくい空気、供述偏重、調書の強さ)に絡め取られていく。
結末は観客に優しくない。徹平は納得できない形で有罪方向に追い込まれ、「裁判が真実を明らかにする」という幻想が崩れる。ラストで最高裁判所が映るなど、戦いが続く余韻を残しつつ、**“無実でも人生が壊れる”**重さを突きつけて終わる。
世間一般の反応(ざっくり)
反応はかなり一致していて、褒め言葉も苦情も同じ方向です。
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**「痴漢冤罪・取り調べ・裁判の怖さがリアル」**という声が多い(怖い、胸が苦しい、電車が怖くなる、など)。
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その一方で、後味の悪さ(救いのなさ)で「しんどい」「観るのに体力がいる」という反応も出やすい。
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作品評価としては、国内賞で非常に強く、受賞歴が多い(監督賞・作品賞・主演男優賞など)。
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また、弁護士が選ぶ「法曹界を描いた作品」ランキングで上位に挙げられた、という言及もあります。
私の評価(率直)
よくできすぎていて、気分は最悪。最高の褒め言葉です。
この映画の強さは「悪役を1人倒してスッキリ」じゃなく、システムが人を潰す構造を淡々と積み上げるところ。観終わると“正しさ”の話じゃなくて、運と構造の話になる。だから怖い。
弱点も同じで、エンタメ的なカタルシスを期待すると地獄。娯楽の顔をした社会科見学(しかも地獄のコース)です。
この映画が好きな人におすすめの映画
「冤罪/法廷/捜査の構造/報道・世論で人生が壊れる」寄せで。
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ハイ・クライムズ(High Crimes)
法廷スリラーとしての“二転三転”が強い。 -
ペリカン文書(The Pelican Brief)
権力×法×情報の緊張感が近い(社会派スリラー寄り)。 -
リチャード・ジュエル
「善人が世論で怪物にされる」系の現代的地獄。 -
スポットライト 世紀のスクープ
構造の闇を“粘り”で暴く側の話(熱量は違うが相性は良い)。 -
偽りなき者
共同体の疑いが人を破壊する(しんどさは同等クラス)。

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