- 2023/05/12
ああ、やっちゃったよ、駒サプリ。スジはすぐにわかったんだけど、手順前後しちゃいました。がっくし。
どれでも詰むように思えて、秒を読まれていたら、正解するかどうかは、ほとんど指運の世界。
すごい。どういう進化の過程で、こういう寄生虫が生き残るのか、想像できません。
寄生生物は、自然界にあまねく存在する。すべての野生動物は、少なくとも1種の寄生生物に寄生されていると言われるほどだ。それら寄生生物の中には、自らの利益になるように、寄生相手(宿主)の形や行動を変えてしまう種がたくさんいる。
これは、宿主操作とよばれており、多くの生物学者を魅了してきた。寄生生物による宿主のゾンビ化やマインドコントロールとも言われ、一般書でもたびたび紹介される。しかし、ほとんどの事例で、宿主操作の仕組みは謎に包まれている。
我々の身近なところでは、秋になると、水辺をふらふらと歩くカマキリをみかけることがある。このカマキリを眺めていると、自ら水に入っていく。フランスのある地域では、夏の夜になると、たくさんのコオロギが森から出てきて、次々に水泳プールに飛び込むそうだ。
いずれの場合にも、水に入ったカマキリやコオロギを観察していると、お尻からにゅるにゅるとひも状の生物が出てくる。このひも状の生物が、今回の主役のハリガネムシ(類線形虫類)である。
ハリガネムシ類は、水生昆虫から陸生昆虫へと宿主を乗り換えながら、川と森を行き来する生活環をもつ。この複雑な生活環の最後のステップとして、ハリガネムシ類は、寄生していたカマキリやコオロギを川や池に飛び込ませるのだ。
陸生昆虫が自ら川や池に飛び込む行動は、にわかに信じがたい。しかし、この奇妙な行動は世界各地で観察されており、最初の記録は100年以上も前にさかのぼる。ハリガネムシ類は、いったいどのようにして、陸生昆虫を水に飛び込ませているのだろうか? この問いは、数ある宿主操作の中でもトップレベルの謎である。我々は、自分たちの手で、世界中の誰よりも先に、その謎を解きたかった。