BMIじゃなくて、大きな影響を与えるのは、どちらかと言うと、筋肉量ってことでしょうか。
じつは、もっとも注意すべきが「低体重」、すなわち、「やせてしまうこと」なのです。日本には、60代を過ぎ、70代、80代の高齢になると「もういい年なんだから、年相応、少ない量を食べればいいんだ」と食事量を落とし、体重を落としてやせていってしまう人が少なくありません。ただ、やせて体重が落ちてくると、低栄養状態になり、筋肉量が落ち、運動機能が低下していく……。そういう悪循環にハマってどんどん弱っていってしまうケースが非常に多いのです。
高齢者の場合、「BMI22の標準体重=いちばん健康」とは限らないということ。文部科学省の研究班が65~79歳の高齢者を11年間調査した研究では、「男性はBMI27.5~29.9、女性はBMI23.0~24.9のとき、いちばん死亡リスクが低い」という結果が出ています。また、この研究では、高齢者では太っていると死亡リスクが低くなり、やせていると死亡リスクが高くなるという傾向も明らかになっています。