- 2021/12/11
エンドレス、映画の入り方はすごく引き込まれてイイ感じですが、途中、ストーリーがちょっと雑になっちゃうのが残念でした。
よくある、同じ日を何度も繰り返す話かなと思っていたら、それが複数いるという、面白い設定です。そして、……
儲かるからやっているんだろうけど、どんな気持ちなんだろう。
でも、武器は売らなくても、資本主義の名の下で、お金を奪い取っているのと、結果は何が違うんだろう、などと思ったりして。
http://www.amazon.co.jp/dp/B000ENUYRW
ウクライナから移民としてアメリカへ渡り、武器の密輸商人となったユーリーがたどる衝撃の運命。ユーリーのキャラクター像や、エピソードの数々は、実在の武器商人の証言を基に作られている。ソ連の崩壊により、余った武器を、アフリカの独裁国家などに横流しするユーリーを、インターポールの刑事ジャックが追跡。そこに、ユーリーの妻や弟との悲痛なドラマが絡んでいく。
危険な顧客を相手にした、ユーリーの臨機応変の対応が見もので、ニコラス・ケイジが、本心を表情に出さないユーリーにハマリ役。「リベリア」といった実際の国名や「ビン・ラディン」、さらにはアメリカ大統領の責任にも言及するなど、あまりにも現実的な要素やセリフに、観ているこちらが「ここまで描いていいのか?」と心配になるほどだ。世界に存在する銃の数なども、恐ろしい現実を伝える。ただ、映画作品として、全体にサスペンスなのか、人間ドラマなのか、はたまたブラックコメディなのかが曖昧。ジャンルを特定させない不可解さも、アンドリュー・ニコル監督の作風なのだが。(斉藤博昭)