益子直美が語る「バレーボール界の暴力」の現実って、バレーボールだけの話じゃなくて、一般論としても、当てはまる内容だと思います。

益子直美が語る「バレーボール界の暴力」の現実って、バレーボールだけの話じゃなくて、一般論としても、当てはまる内容だと思います。
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人間、怒られると、怒られないようにするにはどうすればいいのかだけを考えて思考停止に陥っちゃうんですよね。

そして、怒ってくれる人に依存するようになっちゃう。もう、最悪。

最低限のルールを守って、好きなようにやれ、最終的な責任は取るから。ただし、結果については、自分自身のものとして受け入れろ、というのが、あるべき子育てであり、あるべき組織のマネジメントじゃないかと思います。

 

バレーが題材だけど、教育とか指導全般に通じる話です。

https://toyokeizai.net/articles/-/371823

――以前、スポーツは苦しくて悲しいもの、コーチにたたかれても当然という認識でした。暴力指導のマイナス面についてどう感じていますか?

益子:心が育たないっていうことですね。振り返ると、まったくチャレンジしていなかった。ミスすると怒られるから。ミスはいけないものだと思ってたので。とにかくぶたれないように、ずっと無難な感じでプレーをしてきた。ギリギリのところを狙ってとか、相手の裏をかくとか、そういったトライができなかった。

大山:わかります。怒られるのが怖くて委縮して、それでミスする。悪循環ですよね。

 

――支配された指導法からいきなり解放されると…

益子:自主性とか主体性とか、そういう、やったことがないので、自分でどうやってモチベーションを上げればいいのかとか、自分が何を目標に、そこまでたどり着くためにどうやって設計していくかとか、そういうことがまったくわからなかった。

益子:学生時代までは答えを100%与えられて、やれと言われたことをこなしてたから、もう、めちゃくちゃきついわけ。「益子はもっとバレー楽しめ」って言われても、「楽しむって何? この間まで練習中に歯を見せただけで怒られたのに、どういうこと?」ってわからなくて。

益子:だから、さっき加奈ちゃんが「怒ってもらったほうが楽」って言ったとき、私、本当はラクしてたんだなって。たたかれたり、怒鳴られたりするのは嫌だったけど、一方で自分で考えることしないまま、ここまで大人になっちゃったんだなあって思った。

 

――その点でいうと、大山さんは高校卒業後は熱血指導的な方に出会ったのでは? ギャップを感じませんでしたか?

大山:ミスしたら怒られるので、ミスしないようにしなきゃとか、怒られないようにしなきゃとか、メンバーから外されないようにしなきゃというマインドでずっとプレーしてました。それまでは「うまくなりたい、強くなりたい、夢をかなえたい」っていうプラスのエネルギーで頑張ってきたのに。すべてが後ろ向きな、マイナスな考え方になってしまいました。

益子:そうなんだね……。何というか申し訳ない気持ちですね。私、1996年のアトランタ五輪をキャスターとして取材したとき、選手が「楽しみたい」と発言するのを聞いて「もっと真剣にやってよ」って正直思っていて。まだ昭和を引きずってました。