どんな流れて、この話題になったのかよく覚えていないのですが、知能には、若いときがピークな流動性知能と、歳を取っても衰えない結晶性知能があるという話になりました。
どうして、同じ脳みそなのに違うんだろうと、興味を持ちました。なので、調べてみました。
まずは定義から。
知能の最も大きな分類は、ホーンとキャッテルが提唱した、結晶性知能(crystallized intelligence)と流動性知能(fluid intelligence)である。結晶性知能は、個人が長年にわたる経験、教育や学習などから獲得していく知能であり、言語能力、理解力、洞察力などを含む。一方、流動性知能は、新しい環境に適応するために、新しい情報を獲得し、それを処理し、操作していく知能であり、処理のスピード、直感力、法則を発見する能力などを含んでいる。
ホーンとキャッテルは、結晶性知能は20歳以降も上昇し、高齢になっても安定している一方、流動性知能は10歳代後半から20歳代前半にピークを迎えた後は低下の一途を辿るとし、知能には加齢に伴って低下しやすい能力だけではなく、維持されやすい能力があると考えた。
https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/tokushu/koureisha-shinri/shinri-chinouhenka.html
なるほど。なんとなく、仮説は見つかりました。
結晶性知能はパターン認識じゃないかと。
パターン認識だから、学習データの数が増えるに従って、その精度は向上していく。つまり、若くて経験不足で学習データが少ない人よりも、歳をとって経験による学習データが多い人のほうが、知能が高いってことですね。
逆に、若い人のほうが勝っている流動性知能は、初見の状況での対応力ってことなんだと思います。
ということは、歳をとると、初見における知能が衰えるわけだから、初見の状況であっても、なんらかの経験から類推して、どうにかしてパターン認識の世界に引きずり込まないといけないわけで、日頃から、経験の抽象化をしたり、脳内でいろいろなシミュレーションをしたりすることが大切なんだと思います。
いや、これは若くても同じですね。
で、まだ経験が少ないのに、早く結晶化知能を見つけるにはどうすればいいのか考えてみました。
「体験する」・・・これが一番自然ですが、まったくブーストされていませんね。ただ、なんでもやってみることは結果はどうであれ重要だし、自分で体験する機会を作るというのは成長するためには、必ずやるべきことですね。
「疑似体験する」・・・例えば、ケーススタディとかの座学で学ぶってことです。でも、たぶん、これは効果が薄いはず。なぜなら、人間の感情と紐づいていないので、余程のことがない限り、脳には定着しないでしょう。先人の体験談を聞くのほうが、心が動かされることが多いというので、有識者インタビューのほうが効果がありそうです。
「有識者からのフィードバック」・・・「体験する」をディープラーニングだとすれば、こちらは、いわゆる、機械学習。教師データを有識者が体験の中で教えてくれる。つまり、OJTみたいなもんですね。おそらく、最も効率的。教師データが正しい、かつ、適切にフィードバックがあるという前提ですが。
こんなことを考えていると、「愚者は失敗から学び、賢者は歴史から学ぶ」と言いますが、それはその通りかもしれませんが、歴史から学ぶには、並外れた想像力や、抽象化能力が必要なので、「凡人は先人から学ぶ」というのが正確なのかもしれません。
ここでいう凡人は悪いニュアンスではなく、ごく一般的な人という意味です。
なんてことをいろいろと考えてみました。