なんだか、ただ日本憎しという映画なんですよね。
確かに、当時の日本人がしたことは酷くて、反省すべきことなんですけど、ただ、そればかり主張しても、映画としては面白くないですよね。
母国語を奪われることの屈辱はその通りなんだけど、アイデンティティを確立するための行為が、方言を集めて標準語を決めること、というのの説得力がなくて、そこに共感が湧かなくて、結果として、日本人の酷さだけ目立っているという印象です。
1940年代・京城(日本統治時代の韓国・ソウルの呼称)- 盗みなどで生計をたてていたお調子者のパンス(ユ・へジン)は、ある日、息子の授業料を払うためにジョンファン(ユン・ゲサン)のバッグを盗む。ジョンファンは親日派の父親を持つ裕福な家庭の息子でしたが、彼は父に秘密で、失われていく朝鮮語(韓国語)を守るために朝鮮語の辞書を作ろうと各地の方言などあらゆることばを集めていました。日本統治下の朝鮮半島では、自分たちの言語から日本語を話すことへ、名前すらも日本式となっていく時代だったのです。その一方で、パンスはそもそも学校に通ったことがなく、母国語である朝鮮語の読み方や書き方すら知らない。パンスは盗んだバッグをめぐってジョンファンと出会い、そしてジョンファンの辞書作りを通して、自分の話す母国の言葉の大切さを知り・・・・。