藤井聡太四段はモンテッソーリの幼稚園に行っていたんですね。
でも、モンテッソーリに通っていたことは、モンテッソーリに通えば藤井四段みたいになれるということとは全く別のことなんですけどね。
モンテッソーリの手法に合う子どももいれば、そうでない子どももいるというのが実際のところじゃないでしょうか。
自分自身の経験で言うと、長女はモンテッソーリに合っていたと思いますが、長男には合っていなかったように思います。長男本人がモンテッソーリの幼稚園に行きたくないと言い出しましたから。3歳でこんな自己主張すると思っていなかったので、びっくりでした。
恐らく、体を動かすことをしたかったんだと思います。モンテッソーリのお仕事は細かい手作業が多かったので、その欲求を満たせなかったんじゃないでしょうか。それとも、モンテッソーリをやりたくない敏感期だったんですかね?
いずれにしても、万人にフィットするかどうかは微妙で、フィットするかどうかを観察により見極めるのが大切だと思います。
実際、モンテッソーリの幼稚園と言うと、小学受験や中学受験に役立つという印象があるみたいで、教育ママが多かったように思います。
そして、お受験用の塾と掛け持ちしているというケースが結構あり、受験対策とモンテッソーリって、かなり対極にあるのに、一緒にやって平気なのかなと他人事ながら思ったりしていました。
とは言え、「子ども観察する」「好きなことをやらせる」「繰り返しやらせる」「選択の機会を設ける」「教えない」「説明はゆっくり」といった行動指針は正しいし、モンテッソーリに限らず、教育の基本じゃないかと思っています。
話はかなりそれましたが、記事は以下に、一部、抜粋しました。
藤井聡太四段の活躍によって、脚光を浴びるようになったモンテッソーリ教育。実は数年前からビジネスパーソンの間では話題となっていました。それは有名起業家を含めた著名人に、モンテッソーリ教育を受けた人が多いからです。
Googleの共同創立者セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ。Amazon.comの創立者ジェフ・ベゾス。Wikipedia創設者ジミー・ウェールズ。学者では経営学者のピーター・ドラッカー。そして政治の分野ではビル&ヒラリー・クリントン夫妻、バラク・オバマ大統領も。実際、アメリカには3000を超えるモンテッソーリ教育施設があるといわれています。
たとえば「急いで!」といくら言っても急がない。いつもと違う道で帰るとかんしゃくを起こす。毎日同じ服を着ようとする、お友達におもちゃを譲ることができない……。これら日常の「事件」は、1歳半から3歳の間に多く現れ、大人はこれを「イヤイヤ期」と呼んでいます。しかし、これら大人にとっては「困った行動」の裏には、子どもが大きく成長するためのヒントが隠されているのです。
私たちはこの時期をイヤイヤ期ではなく「敏感期」と呼んでいます。「敏感期」自体は、子どもの成長を通じて長い間続きますが、その特徴がいちばん表に現れるのは、人生最初の6年間です。そして言葉を話し始める頃のイヤイヤ期と重なる時期が、敏感期の中でも親子の衝突がいちばん生じやすい時期となります。
自分を伸ばす活動に、一生のうちでいちばん「敏感」になるこの時期、子どもはその能力をどんどん形にしていきます。しかし一方で、親がそれと気づかずさまざまなことを「ダメ!」と禁止するのもこの頃です。それは、子どものためによかれと思って、反対に子どもの大切な才能の芽をせっせと摘んでいるようなもの。まずは親が子どもをよく観察し、子どもが何に敏感になっているかを知ることが必要です。
敏感期とは、武道でいえば「型」を身に付ける時期です。
「集中しなさい!」と親がいくら言っても、集中した経験を持たない子は、何においても集中することができません。つまり「集中するという型」を、この時期に体を使って身に付けた子は、集中するということがどんなことかが、教えられなくてもわかるのです。それが将棋に向かうこともあれば、運動に向かうことも、勉強に向かうこともあります。
敏感期がとりわけ大切なのは、大人がただ教えるだけでは身に付けることができない、さまざまな生き方の「型」を、身に付けることができる時期だからです。しかし、親がそのことを知らなければ、「ピンポン」ができず泣き叫ぶわが子に向かって、「ワガママ」「言うことを聞かない」などといって、しかってしまうことでしょう。
敏感期理論には、大賛成なのですが、実際に観察してみると、そこまで集中力がないというか、どうせやるなら、もっと徹底的にやってくれよ、と思うことが多い気がします。
翌週も記事が出ていました。
子どもをよく「観察」しよう
自宅でモンテッソーリ教育をするためにまず大切なのは、子どもをよく「観察」することです。マリア・モンテッソーリは、「科学者のような目で子どもを観察しなさい」と教えてくれます。なぜなら、一見親にとっては不可解な行動の中に、子どもが大きく成長するヒントが隠れているからです。
子どもが今、何にこだわりを見せているのか。何が気に入っているのか。それをよく観察すると、子どもを伸ばすための方法が見えてきます。
「敏感期」を知ろう
「敏感期」。聞きなれない言葉だと思います。
しかし、この言葉を知っていると、子育てがぐんと楽になり、子どもの才能を伸ばすことができるのです。
敏感期とは、子どもが自分を伸ばすためにある一定の時期に何かに対して非常に強く反応する
時期のこと。わかりやすい言い方をすれば「何かにこだわりを見せる」時期のことです。
家で今すぐできること
子どもの能力を伸ばすために、具体的にできることをお伝えしましょう。子どもの生きる力を育むための、親の接し方です。
①選択の機会を設ける
なんでも親が選ぶのではなく、子どもに選ぶチャンスを用意しましょう。
小さい頃は2択から、大きくなるにつれて、選択肢を増やします。これは「イヤイヤ」の時期にも効果があり、あれもイヤこれもイヤと泣いている子どもに「どっちがいい?」と選択肢を示すと、片方を選んでくれることがよくあります。子どもは「ひとに決められる」のがイヤなだけなのです。ゼロ歳の子も「ママの右のおっぱいがいい」などと「選択」をしています。子どもはとても早くから、自分で決めたいという思いを持っているのです。
小さい頃から自分で選択をしていると、自然と判断力がついてきます。自分で決められる大人というのは、子どもの頃、小さな選択を積み重ねてきた人なのです。
②教えない
私たちモンテッソーリの教師に求められるのは、「教えない」ということです。子どもが間違っていても、正解を押しつけてはいけません。パズルをしているタダシ君。4個目のピースが間違っているため、最後の10個目がうまくはまりません。ここで「これが間違ってるよ」と教えてしまうと、子どもが試行錯誤する機会を奪うことになってしまいます。ですから、「教えて」のサインを子どもが出すまでは、大人はじっと待たなければなりません。
しかし、これが皆さんとても苦手です。でも、よく考えてみてください。一生懸命やっている横で「違うよ」「間違ってるよ」「こうするんだよ」と言われ続けたら……? せっかくのやる気もなくなってしまうはずです。
大人が先回りして教えることは、何もいいことはないのです。やる気と自信は、子どもの試行錯誤の経験の中から生まれてくるものです。
③方法を説明するときには、スローモーションで
子どもから見ると、大人の動きは「超高速」! たとえばファスナーの開閉の仕方を伝えるときに、ファスナーを上げる動作をしながら、「この細い溝に、こちらの先を入れてから、この先を持って上に上げるの」と言っても、子どもはまったくその説明についていくことができません。
まず、普通の大人の動作は子どもにとって早すぎて、目で追えないのです。また「目でデモンストレーションを見る」ことと、「耳で説明を聞く」ことを、同時にすることができません。ですから、子どもに何かを説明するときには、スローモーションで行う、デモンストレーションをしているときには、話さない、説明しているときには、デモンストレーションはしない、ということを意識してください。
何度も説明しているのに、お子さんが全然覚えられないとしたら、それはお子さんが悪いのではなく、説明の仕方がお子さんに合っていないだけです。親御さんは説明の仕方を少し練習してみましょう。
敏感期を知って、お子さんを観察するようになると、どんなことにこだわっているのかが見えるようになってきます。そのこだわりを伸ばすことができるように、親は上手に選択肢を与え、試行錯誤させることで、お子さんは自らの力で成長することができるようになります。子どもは自分が伸ばしたい能力を知っているからです。
親ができることは、その能力を潰さないこと、そしてそれを伸ばすための環境を整えることなのです。