子どもを塾に通わせたくないのは、早稲田アカデミーで時間講師をしていた経験からかもしれない。

確かにお金もないのだけれども、経済的理由以外にも塾に通わせたくないと思っています。少子化で競争率は下がっていて、大学なんて、かなり入りやすくなっているのに、塾業界の煽りによって中学受験そのものが、過熱しすぎなのではという考えからです。

が、それだけではなく、私自身の経験によるところもあります。

大学生の頃、早稲田アカデミーという塾で時間講師として働いていました。そのときの経験で、以下の3つの点がどうしてもアタマから離れないので、自分の子どもを塾には行かせたくないです。

1つ目は、受験テクニックと詰め込み型授業で、知的好奇心を刺激することができないだろうと経験則上思っているからです。本来、小学生って、新しいことを学び、それらをもとに自分のアタマで試行錯誤し、知識を増やしていくプロセスを体験させる必要があると思っています。だけど、毎週のカリキュラムがあり、それなりに点数を取らせなければいけないとなり、講師間でも競争とかがあると結果を出すために、てっとり早い、丸暗記という、質の悪さを量でカバーする手段を取ってしまいます。今なら、もっともっと授業で脱線するし、脱線こそが中長期的な視点で効果的だと思っているのですが、現実的に脱線ばかりの講師だと、モンスターと化した親御さんからクレームが来そうです。

2つ目は、講師がそんなに賢くないことを知っているからです。凄くアタマが良く、日本の将来を支えるような大学生たちは、自分の目標があるので、徐々に塾講師からはいなくなってしまいます。そうなると、残っている人たちの大部分は、明確な自分の目標のない、まあ普通の人たちです。もしかすると、普通以下かもしれません。少なくともモラトリアムを決め込んでいる学生が多いのは事実だと思います。極端な例で言うと、もし、自分に能力があったら、医者・弁護士・投資銀行などの高収入の職業を目指すか、今のままで塾講師を目指すかという話です。であるならば、私は子どもには、勉強なんか教えてくれなくていいから、本当にできる人と話をして欲しいんですよね。そう、本物に出会って欲しいんですよ。それにお金を払うなら惜しくないんです。

3つ目は、多くの講師が人生においてチャレンジしていないと思っているからです。塾の講師は、特に何の資格も必要せずに、ちやほやされる存在です。普通の社会では、ちやほやされるためには、それなりの実績が必要ですが、塾の講師はそのハードルが低いため、とにかく居心地がいいんです。生徒の親御さん達は、何かにつけ「先生、先生」と持ち上げてくれる(もしかしたら、子どもが人質みたいな感じでちやほやせざるを得なかっただけなのかもしれません)ので、自分が偉いと勘違いしてしまいます。で、そのまま、ずるずると居残ってしまうというパターンが多いです。就職活動等で、自分が塾で働いているときと比較して、あまりにも評価されないので、気持ちが萎えるというのもあると思います。私自身も会社に入って、萎え萎えで、ダメ社員の王道を歩んでいきましたから、よくわかります。魅力的な先生もいるでしょうが、先生を選べるわけではないので、リスクは高いと思っています。

私が塾の講師をしていたのは、大昔なんで、今は事情は違うのかもしれませんが、上記が、長女が公立中学に行きたくないと言っても、安易に塾に通わせずに、自宅学習で対応しようとしている理由です。