- 2022/12/05
日本人の9割が知らない遺伝の真実、以前から興味を持っている領域で、ネットで情報を仕入れていたので、真新しいことはなかったけれども、読みやすい本でした。
ざっくり言うと、特定のものを除くと、だいたい遺伝と環境の影響が半分ずつぐらいで、共有環境の影響はかな……
あらすじとしては、幼い頃、母親を亡くした主人公が、継母との関係がうまくいかないという話です。
ラストは泣けるし、お互いに意地を張るというのもわかります。が、実際にここまで実の母親にこだわるというのはあまり現実的ではないと思います。去る者日々に疎し、じゃないけれども、思いは風化するのが自然じゃないでしょうか。
すごくいい話なんだけれども、重松清は読者を感動させようとしているな、という醒めた目で見ちゃう自分がいました。
中学受験の入試問題にも手頃でいいんじゃないでしょうか。
ちなみに、私は「悔しくても心をこめて」のほうが良かったです。こっちも、かなりプロフェッショナルな匂いはするのですが。