カテゴリー: 感想

映画や本、ときおり、テレビドラマのレビューを載せています。かなり偏っているので、真面目な方は読まないほうがいいかもしれません。

  • デビルズダブル、凄くいい映画。狂気の前になすすべもなく、蹂躙されている人たちの人生が悲しい。

    「生まれてきた時に殺せば良かった」イラクの独裁者サダム・フセインにそう言わしめた、彼の長男ウダイの話です。そんな長男がいるとは知らなかったので、衝撃的でした。最後に、2つのこと以外、ノンフィクションだという説明があり、なおさらです。

    こんな酷いことがまかり通る世の中でない国と時代に生まれてきたことに感謝です。

    で、そんな私の思いとは関係なく、映画は進んでいき、影武者となったラティフの苦悩は深まるばかり。が、逆らえば、一族、殺されてしまうのがわかっているだけに、もどかしいです。

    ラティフの父親の別れの言葉も泣けてきました。

    見終わってスッキリというわけにはいかないのですが、とてもいい映画でした。

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    世界を驚愕させた、真実の告白!
    20世紀最悪の“プリンス”の影武者を生きた男の衝撃すぎる実話! !

    世界中の国家を敵にまわしたイラクの独裁者サダム・フセイン。
    彼には、タブー視されていた息子がいた。
    `狂気の申し子’と悪名高く〈ブラック・プリンス〉と呼ばれた長男、ウダイ・フセイン。
    そのウダイに、顔が似ているという理由で選ばれ、家族の命と引き換えにウダイの影武者を引き受けることとなった男がいた。
    男の名はラティフ・ヤヒア。
    整形手術と付け歯、徹底した所作訓練でウダイに酷似させられたラティフは、ウダイを生きることを強いられ、「サダムの息子が前線にいる」というパフォーマンスのためにと、戦火の地にさえも送られた。
    莫大な資産と、全てを思うがままにすることを許される権力、毎夜抱き替える女たち、そして理由なき血への欲求…。
    ウダイの飽くなき狂気に寄り添い、影武者として傍らで応え続ける日々に、自身を許容できなくなったラティフだが、彼には生死を選ぶ自由さえ許されてはいなかった。
    逃げても執拗に追いかけてくるウダイと、ついに戦うことを決意するラティフ。
    悪魔と対峙することを決意した彼は、どう立ち向かい、何を得、何を失うのか…。

  • 膝小僧の神様、長女の国語の問題に載っていて興味深いから読んだら、面白かったけど、何作もは要らない感じ。

    膝小僧の神様、長女の国語の問題に載っていて興味深いから読んだら、面白かったけど、何作もは要らない感じ。

    膝小僧の神様は、いくつかの短編を集めたもので、問題に使われていたのは、図書室の恋というものでした。微妙なところで、終わるもんだから、確かに、その先が気になって仕方がない切り方でした。読んでみて、すっきりしました。

    小学生の頃の気持ちを小説にしているんですが、短編集を並べられて、全部、同じテーマだと、少し飽きちゃいますね。志賀直哉をパロディにしているところは好感が持てます。

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  • マーガレット・サッチャー、鉄の女の涙は、発想はいいんだけど、消化不良の印象。表面的すぎるんじゃないかな。

    イギリスの首相ということもあり、あまり知らなかったのですが、かなり厳しいところから首相にまで上り詰めたところなんかは感動しました。

    ただ、鉄の女と言われる裏であった苦悩については、何となく、薄っぺらい感じがしました。1つ1つのエピソードが深く掘り下げられていないせいじゃないでしょうか。

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    「教えて。あなたは幸せだった?」
    マーガレット・サッチャー、86歳。最愛の夫亡き今振り返る、政治家としての栄光と挫折、そのために犠牲にしたかもしれない愛を。
    夫は他界、子供たちは独立し、ひとり静かに晩年を送るマーガレット・サッチャー。夫の遺品を整理する決心がつかないマーガレットは、8年目にして、ついにある決意をした。だが、夫デニスは、今もまだマーガレットの幻想の中に存在する。時には朝食の食卓に現れたり、子供たちの昔のビデオを一緒に見たり、彼はいつだってそばにいるのだ。自叙伝に旧姓でサインをしてしまったマーガレットは、ふと過去を振り返る。夫と出会う前、夫との出会い、結婚生活、そして、“鉄の女”の名で知られた政治家としての人生を―。

  • 大往生したけりゃ医療とかかわるな、極論すぎる気がするけど、考えさせられる良書です。

    大往生したけりゃ医療とかかわるな、極論すぎる気がするけど、考えさせられる良書です。

    日頃から、対症療法となる薬は不要で、体の免疫力を高めることが一番重要という持論だったので、共感できました。

    そして、心臓を動かすことだけを目的とした医療が意味がないことにも、同意できます。

    ただ、医療行為をしなければ、痛みを感じないというのは、個人差があるし、病気の種類にもよると思います。痛みのコントロールだけは、薬を使いたい気がします。私の父親の場合のことを思い返してみても、薬なしというのはさすがに無理だったと思います。

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    死ぬのは「がん」に限る。ただし、治療はせずに。

    3人に1人はがんで死ぬといわれているが、医者の手にかからずに死ねる人はごくわずか。
    中でもがんは治療をしなければ痛まないのに医者や家族に治療を勧められ、拷問のような苦しみを味わった挙句、やっと息を引きとれる人が大半だ。
    現役医師である著者の持論は、「死ぬのはがんに限る」。
    実際に最後まで点滴注射も酸素吸入もいっさいしない数百例の「自然死」を見届けてきた。
    なぜ子孫を残す役目を終えたら、「がん死」がお勧めなのか。
    自分の死に時を自分で決めることを提案した、画期的な書。

  • ほりえもんのゼロ、想定外に面白い。今まで色眼鏡で見ていたのがなくなったせいなのか、それとも、新たな色眼鏡で見るようになったせいなのか。

    ほりえもんのゼロ、想定外に面白い。今まで色眼鏡で見ていたのがなくなったせいなのか、それとも、新たな色眼鏡で見るようになったせいなのか。

    どうせ、たいした本じゃないだろう、と軽い気持ちで読みました。読んでみると、意外に深い。そして、シンプル。

    堀江貴文と私とは、かなりタイプの違う人間なんだと思うけど、共感する点がたくさんあり、びっくりしました。

    共感した内容を箇条書きでメモしておくことにします。

    • 時間が最も重要なリソースで、時間を切り売りしてお金を貰っているから、仕事がつまらない。そして、他人の時間でなく、自分の時間を生きることが大切。
    • 没頭したら仕事が好きになる。仕事が好きじゃないのは経験不足。
    • 10の信用があれば、100のお金は集まるが、100のお金で10に信用を集めることはできない。
    • 責任が発生しないうちは、本当の自由はない。

    なかなか良いことが書いてあります。読みやすいのもありがたいです。ゴーストライターだとしても関係ないです。もしかしたら、今は亡き駒場寮にいたというのが、あの古臭いにおいとともに親近感がわいたのかもしれませんね。

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    誰もが最初は「ゼロ」からスタートする。
    失敗しても、またゼロに戻るだけだ。
    決してマイナスにはならない。
    だから、一歩を踏み出すことを恐れず、前へ進もう。

    堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?
    ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。

    【本書の主な目次】
    第0章 それでも僕は働きたい
    第1章 働きなさい、と母は言った──仕事との出会い
    第2章 仕事を選び、自分を選ぶ──迷い、そして選択
    第3章 カネのために働くのか?──「もらう」から「稼ぐ」へ
    第4章 自立の先にあるつながり──孤独と向き合う強さ
    第5章 僕が働くほんとうの理由──未来には希望しかない
    おわりに

     

  • 推定無罪、面白い。何かあるだろうとは思っていたけど、最後のどんでん返しは良かったです。

    古典はやっぱり面白い。長い年月を経ても残っているということは、それなりの支持を得ているということ。だから、ハズレはあまりないんでしょう。

    この推定無罪、細かいことを言えば、推理のあら探しはできるのですが、そんな些細なことでなく、大局で見れば、すごくいい映画。

    ハリソンフォードは犯人なんだろうか。誰かにはめられているのか。それとも、他の誰かなのか。引き込まれて、見入ってしまいました。

    サスペンスとして、良くできているだけでなく、不倫と出世争いなどの人間模様もしっかり描かれているところも良かったんだと思います。

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    愛のためなら、人を殺せる人間がいる。
    殺人の陰に潜むのは、愛。

    推定は、常に危険と隣り合わせ。
    かりそめの無実には、危険がつきまとう。

    “知的で、なおかつ情熱的な、一度つかんだら放さないスリラー”

    サスペンスに富む推理劇、官能的なスリラー、息詰まる法廷ドラマ、そしてハリソン・フォードの真骨頂――『推定無罪』にはすべてがある。
    不倫関係にあった同僚(グレタ・スカッキ)が殺害され、その第一容疑者とされたエリート検事補。
    自らの潔白を証明しようと闘う彼は、やがて様々な嘘や思惑、情念が渦巻く世界に呑み込まれていく。

     

     

  • 奇術師フーディーニ、妖しき幻想、何が良いのか理解できなかった。

    ひかりTVの評価が高かったので見たのですが、盛り上がりに欠けて、何がいいのか全くわかりませんでした。駄作と言って差し支えないと思います。

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    偉大な奇術師フーディーニ(ガイ・ピアース)は、他界している母の“最期の言葉”を言い当てた者に高額の賞金を与えると宣言する。これを聞きつけた、いかさま霊能者のメアリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は、娘のベンジー(シアーシャ・ローナン)と共謀し、“最期の言葉”をあらゆる手段を使って入手しようとする。しかし、フーディーニにはシュガーというマネージャーが付きっきりで、なかなか計画がうまくいかない。いつしか、フーディーニとの間に恋愛感情が芽生えていたメアリーは、彼への気持ちと賞金の間で揺れ動く。いよいよフーディーニの母の霊を呼ぶという段階になり、メアリーが彼を裏切れないと中断しようしたその時、娘ベンジーにフーディーニの母の霊が舞い降り、驚愕の事実が明らかになる・・・。

  • デイライト、きっと助かるとは思ったけど、ハラハラして、いい映画だったと思います。

    トンネル内の爆発事故で、取り残された人たちが、脱出する映画です。ストーリーとしてはベタなんですけど、純粋にスタローンを応援することができました。

    そして、誰もが無条件に助かるわけでなく、見捨てていくところも、リアリティがあってよかったです。

    あと、ワールドトレードセンターが、まだ、ニューヨークの象徴として、描かれていたのが感慨深かったです。

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    シルベスター・スタローン主演によるパニックサスペンス。海底トンネル内に閉じ込められた人々を救うため、元緊急医療班のリーダー、キット・ラトゥーラが命懸けで奔走する。“ユニバーサル・シネマ・コレクション”。

  • 最後の授業、読むのは2度目になりますが、途中から失速する感じでした。

    最後の授業、読むのは2度目になりますが、途中から失速する感じでした。

    この歳になると、身内や友人で若くして病気で亡くした経験をしていることも多く、シチュエーションだけで感極まります。かつ、定期的に、こういった本を読みたくなります。なので、一度、読んでいるのに、気づかずに、また読んでしまいました。

    最初は良かったのですが、だんだんとただの回顧録みたいになってしまい、興味が薄れてしまいました。が、この本が、私たちに伝えるためのものでなく、家族のためのものなので、仕方がないことでしょう。

     

    世界中が涙した、ある大学教授の「最後の授業」

    余命半年。
    幼いわが子や学生たちへどうしても伝えておきたいことを語ろう――

    名門カーネギーメロン大学の講堂で、ある教授が「最後の授業」を行った。
    教授の名前はランディ・パウシュ。
    バーチャルリアリティの第一人者にして、コンピュータサイエンスの世界的権威だ。
    46歳、愛する妻と3人の子供に囲まれ、最高に充実した生活だった。
    だが講義直前、癌の転移が発覚、余命半年と宣告される。
    これから20年かかえて子どもたちに教えていくべきことを、たった半年でどう伝えたらよいのだろう?
    ランディは最後の教壇で、まだ幼いわが子へ、そして次代を担う若者へ向けて、
    大切にしてきたことや人生の喜びなど、自分が歩んできた道で得た夢と知恵を語ることにした――

    全米で話題になり、その後YouTubeを通じて世界中の人々に勇気と生きる喜びをもたらした、
    47歳でこの世を去った大学教授が残した感動のメッセージ。
    第1章 最後の講義
    第2章 僕はこうして夢をかなえてきた
    第3章 僕を導いてくれた人たち
    第4章 夢をかなえようとしているきみたちへ
    第5章 人生をどう生きるか
    第6章 最後に

     

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  • 藤原和博の必ず食える1%の人になる方法、何となく釈然としない感じ。

    書いていることはごもっとも。共感できる部分もたくさんあります。でも、なぜ、他の条件でなく、これらの条件を選択したのかという理由が明確でないので、よくわからないんですよね。電車で携帯のゲームをしないというのはわかりますが、例えば、生活習慣を整えるとか、テレビを見ないとかと比較して、なぜそれを選んだのかの説明をして欲しかったですね。

    また、4つにタイプを分類しているのの妥当性も、しっくり来なかったです。本当にこの4つなのか、本当に軸はこの2つなのかがよくわからなかったです。前提が納得できないので、共感することはできませんでした。エピソード自体は面白いものもありましたけど。

    総じて、本にする内容というより、ブログとか講演の内容のような気がしました。キャッチコピーに釣られた感じです。

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    リクルートの営業+和田中の校長として30年間、見てきた結論!
    「100人に1人」なら、無理しなくても、誰でもなれるし、食べていける!

    特別な才能はいらない。たった7つの条件をクリアするだけ。
    4つのタイプ【価値観×志向】別に、7つの条件を徹底解説!

    あなたはどのタイプで「100人に1人」をめざす?

    *「経済的価値」(給料、年収、おかね)を重視する? しない?
    *「権力(サラリーマン)」志向? 「プロ(独立)」志向?

    序章 すべての人に共通する3つの条件 →p39へ
    ――まずは3条件をクリアして「8分の1」の人になれ!
    第1章 A「経済的価値×権力志向」(社長タイプ) →p55へ
    ――「力」を求める人の4つの条件
    第2章 B「経済的価値×プロ志向」(自営業タイプ) →p113へ
    ――「技」を求める人の4つの条件
    第3章 C「経済以外の価値×権力志向」(公務員タイプ) →p171へ
    ――「つながり」を求める人の4つの条件
    第4章 D「経済以外の価値×プロ志向」(研究者タイプ) →p193へ
    ――「好き」を求める人の4つの条件

  • 自虐の詩、深いようでよくわからない、不思議な映画ですね。原作があるみたいなんで、一度、読んでみるといいのかもしれません。

    自虐の詩、深いようでよくわからない、不思議な映画ですね。原作があるみたいなんで、一度、読んでみるといいのかもしれません。

    何が言いたかったのか、よくわからない映画です。深い愛の話なのかなぁ、それとも、他の何かがあるのかなぁ。

    原作があるみたいなんで、一度、読んでみるといいのかもしれません。

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    森田幸江(33)は、無職で甲斐性無しの葉山イサオ(35)に尽くしている。二人は大阪で一緒に暮らしているのだが、まだ籍を入れていない。幸江がラーメン屋で働きながら生活を切り詰めやりくりしているというのに、イサオは毎日ボーッとして、やることといえば賭け事ばかり。気に入らないことがあれば、ちゃぶ台をひっくり返す。ところが幸江は、周りに何と言われようと、イサオに惚れて惚れて惚れぬいている。

  • ユナイテッド93、ほぼノンフィクションだから、悪いデキになりようがないですね。

    ユナイテッド93、ほぼノンフィクションだから、悪いデキになりようがないですね。

    史実を知っていたので、結末がわかってしまい、ハッピーエンドにならないのがわかる点が非常に残念ですが、それ以外は臨場感があって良かったです。管制塔の焦りっぷりが特にリアルでした。

    それはそうと、ハイジャック犯はあまりにも稚拙に描かれていたのですが、本当に、この程度だったんでしょうか。

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       2001年9月11日、同時多発テロ発生。その朝、ハイジャックされた4機のうち、1機だけ標的を外した飛行機があった。そのユナイテッド93便の機内と、管制センターの状況を再現した本作は、観る者の目を覆わせ、想像以上のショックを与える力がある。客室乗務員や一般の乗客らの日常が、突如として生死の境をさまようことになるのだが、過去の映画史を振り返っても、これほどの緊迫感を出した作品は少ないだろう。観ているこちらもハイジャックされた機内を体験している気分になってしまうのだ。
    スター級の俳優はひとりも出演していないが、キャストの演技はあまりにもリアルだ。管制センターや米軍のスタッフには、当時、この事件に立ち会った実在の人物によって演じられている役もある。修羅場と化す現場を再現する彼らの表情からは、本物の悲しみが伝わってくる。そしてハイジャック犯を演じる俳優たちも、事件を起こすまでの躊躇(ちゅうちょ)と使命感に揺れる葛藤を完璧に体現。乗客が機内電話を使って家族に最期の言葉を遺すなど、後半40分は恐怖と感動の相乗効果で涙が止まらない。日常を平穏に過ごしたい人は、むしろ本作を観ない方がいいかもしれない。しかし、これがあの日に起こった現実だと知ることは、同じ時代に生きる人間の責任でもある気がする。(斉藤博昭)