松本大・マネックス証券会長が語る「返事は『おう』だ!先輩の洗礼」。昭和は遠くなりにけり。

松本大・マネックス証券会長が開成、運動会の伝統を日経電子版で語っています。面白いです。

最近みたいに、多くの人が権利を主張し、企業もコンプライアンスがうるさくなった今、こんな自由な空間はまだ残っているのでしょうかね。時代は平成ですから、どんなもんでしょう。

http://style.nikkei.com/article/DGXMZO10163730R01C16A2000000

東京大学合格者数ナンバーワンを誇る私立の雄、開成高校(東京・荒川)。だが、最近は、ライバル校や新興勢力の追い上げなどで、激しい競争にさらされている。そうした母校のために一肌脱ごうと立ち上がったのが、同校の卒業生、松本大・マネックス証券会長(52)だ。金融関係者のOB会をつくるなど、“開成愛”あふれる松本氏が、熱く語る母校、そしてその母校から受けた影響とは。

■入学してすぐ、上級生の“洗礼”を受けた。

開成は高校からも入れますが、基本的には中高一貫の男子校です。私も中学受験で入りました。

学校が始まって早々、教室でみんなと弁当を食べていたら、背も高く、私たち中学1年生から見れば、顔つきも体つきも完全に大人の高校3年生が突然教室に入ってきて、いきなり「はしを置け!」と怒鳴るんです。変な人が入ってきたなという感じで見ていると、黒板をバーンとたたいて、「はしを置けと言っているんだ!」とまた怒鳴るわけです。

そして威勢よく、私たちに向かって、翌日から運動会の練習を始めるから、昼休みと放課後は校庭に集まるよう命令し、ヘラヘラして聞いていたら、また怒鳴る。最後に、「わかったか」と言うので、全員、緊張しながら「はい」と返事をしたら、「バカ野郎、返事は、『おう』だ」と。こんな感じで6年間が始まりました。

毎年5月中旬に開かれる開成の運動会は、中高合同で行う一大イベントで、中1から高3まで、クラスごとに縦割りにして8組に分け、戦います。

競技や応援の練習は、それぞれの組の高3の生徒が下級生を指導する形で、本番までの1カ月ちょっと、毎日、へとへとになるまでやります。種目は、騎馬戦や棒倒しなど激しい競技ばかりなので、当然、けが人も出る。ビリになった組の人は、いまだに、飲むと「お前ら、あのときビリだったな」と言われるほど、全員にとって思い出深いイベントです。

もちろん楽しいこともありましたが、上下関係の厳しさを学んだり、理不尽なことも色々とあったりもしました。ただ、社会に出れば、理不尽なことはいくらでもあります。後から振り返れば、運動会の練習は、社会性を身に付けるためのトレーニングの場だったのではないかと思います。