「志望校の検討、どこを目指すべきなのか」
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実際の受験校と志望校は別のもの。志望校は子供が決めるべきですが、その前に親はお金を出す条件を提示するべきだと思います。
中学受験しようと決めました。次に決めることは志望校です。
受験勉強は長丁場なので、目標が明確にないと、息切れしてしまいます。特に勉強するのは、まだ小学生ですから、具体的な目標がないと「やり抜く力」は出てきません。どんな形であれ、志望校を決めることは重要です。
実際の受験校を決定するためには、次の3つのプロセスで決定すべきじゃないかと思っています。
1.親の条件(=お金を払ってもいい最低条件)
2.本人の希望
3.成績
後ろの工程から考えていきます。
成績:
成績については、模試とかを受ければ、イヤでも突きつけられるので、真実から目を背けない勇気さえあれば、大きく間違えることがないです。模試の偏差値はそれなりの母集団に対しての統計的な値ですので、結構、信頼できると思っています。
塾の先生とかが、成績の伸び悩みによる契約の打ち切りを懸念して、生徒の良い点を必要以上に取り上げるケースってよくあると思いますが、子どもの実力を過大評価するのは大失敗のもとなので気をつけましょう。甘言を親が受け入れるのは全く抵抗がない、というよりは、溺れる者は藁をもつかむという感じで突っ走るのだけはやめたほうがいいです。当日での大逆転はありますが、それは統計的に見れば、ごくごく僅かの例外にすぎませんから。
本人の希望:
本人の希望は、親の希望じゃなくて、あくまでも、本人の希望ですから、注意してください。「○○ちゃんは、御三家よね、その中でも開成向きじゃないかしら。おほほ。」とかいう親が一方的に押し付けたケースだと、本人の希望がどれだけ強いか疑問です。6年生の2学期以降は、かなりの心配とプレッシャーが本人にのしかかって来るので、志望校に強い思いがないと頑張れません。ですから、文化祭に行くなり、ホームページ等で情報を教えるなりして、本人に選ばせるべきです。最終的に、本人が自分の意志で選んだ形になっていることが大切だと思います。
また、志望校はあくまでも「志望」する学校ですから、現時点の実力はいったん棚にあげて、考えるのべきです。自分の偏差値が50だから、55ぐらいの学校を志望校にしよう、なんていうプロセスではモチベーションがわきませんし、プラスアルファの伸びは期待できないでしょう。
親の投資条件:
で、一番ブレるのが親の投資条件じゃないでしょうか。多くの場合、現在地の偏差値を見て、それに+5ぐらいして、大手進学塾の80%合格偏差値を水平に見ながら決めているんじゃないでしょうか。なんのポリシーもないから、模試の成績や、塾のクラス分けで志望校が乱高下するんですよね。受験校は最終的に12月から1月にかけて決めればいいので、志望校はコロコロ変えるものではないです。コロコロ変わるのは志望しているのではなく、「進学できそう校」です。
では、親がどういう基準を設けるべきなのでしょうか。もちろん、家庭により、考え方は異なるとは思いますが、「将来の選択肢を狭めない学校」「家からできるだけ近い学校」「人脈を作れる学校」という3つの条件はある程度、普遍的だと思っています。
3年前にも同じようなことを言っていますが、当時との違いは「余力がある」という条件が「家から近い」に変わっています。
・将来の選択肢を狭めない
高いお金を出して、6年間通わせるのは、見栄ではなく、子供が幸せになるためですから、子供の将来の可能性を摘むような学校は選択肢としてありえません。
大学を序列化することの是非は脇において、例えば、子供がポテンシャル的に東大・京大に行ける可能性があると思っているなら、早慶の付属校は志望校の対象外にする、同じく大学で早慶に行ける可能性があるなら、明治や法政の付属校は対象外にするということです。中学時点で、大学までのレールを引くのは、子供に対するリスペクトが足りないと思います。親は「大学に行けないリスクをヘッジした」つもりかもしれませんが、私には、「子供からチャンスを奪った」としか思えないです。賛否両論あるとは思いますが。
・家からできるだけ近い学校
通学時間って無駄だと思いませんか?例えば、学校まで90分かかる場合、往復で1.5時間。
年間に200日学校に行くとすると、年間に300時間、6年分で1800時間を通学に費やしています。1800時間って75日でしょ。もったいないですよ。青春の一番濃い時間を疲れたサラリーマンに囲まれて無駄にするなんて。
・人脈を作れる学校
自分とだいたい同レベルの生徒に囲まれているので、中学高校の6年間、特別なトラブルがなければ、どこで誰と過ごしたって楽しいです。いい仲間ができることは、ほぼ間違いないでしょう。
ただ、楽しい中高の生活の後、差がつくとすれば、卒業後の人脈です。そういう意味では、いわゆる偏差値のなるべく高い学校というのは、1つの有力な基準だと思います。が、それ以上に、それなりに人数のいる学校、あるいは、歴史のある学校というのが大切な視点だと思います。人数がいれば、同級生の誰かはいずれかの方面で活躍する可能性が高いですし、歴史があれば、活躍している先輩がいる確率は高くなります。
そんな打算的なことは考えるなという話もありますが、親がお金を出す条件なので、投資対効果を考えることは普通だと私は思います。
参考までに我が家の場合:
学級崩壊の影響もあってか、本人が公立中に行きたくない、中学受験したいと言い出し、志望校を選定しました。
- 「憧れ校A」(長女がもともと憧れていた学校)は、当時の基準の、将来の選択肢を狭めないことと人数が多いことの2つはクリアしていて、レベルが高すぎるので、入ったとしても余力なさすぎということでがネックでした。なので、第2志望として他にもう少し現実味のある学校を探してもらいました。今なら、余力云々はそれほど気にならないし、家から近いとまでは言えなくても、電車一本で行けるので、まあ、実力以外では文句はない第1志望です。
- 「いい感じ校B」(次に行きたい学校)は、Aよりも入学の難易度は下がるのに比例して、進学実績は良くないけど、非常にバランスの取れた良い学校と親の目からは思いました。長女も文化祭に行って気に入っていたのと、Aよりも家から近いこともあり、晴れて第2志望としました。
で、当初ではなく、受験をしていく中で、微修正した結果でも、やっぱり基準は満たしていました。(もともとのポリシーは変わっていないので、当然と言えば、当然ですが。)
そして、残念なことに2つ学校の試験日が重なるので、長女本人には、6年生の2学期に受ける模試の結果を見て、どちらを受けるかを決めようということにしました。
参考までに、このとき「いい感じ校B」の偏差値より遥かに低い成績ではあったのですが、これから頑張って合格できるぐらいの心意気がなければ、公立中でいいんじゃないかと思っていました。いや、言い聞かせていました。…情けないことに、最後、ブレてしまいますが。
そして、私自身の場合:
あまり覚えていませんが、塾の先生主導だったような気がします。なぜなら、それまで、私立中学校があることすら知らない田舎の小学生だったので。結果オーライだったのでいいのですが、失敗していたら、結構、後々まで尾を引いたかもしれません。でも、そんな時代だったんだと思います。
参考にした情報など:
毎年11月は志望校の相談をたくさんいただく。志望校選びは、我々にとっても難しい問題である。
それは、家庭によって価値観が違うからだ。「社会経験のある親が決めるべき」と言われればそれはそうだし、「本人の人生だから本人に任せるべき」となれば、それもいえる。…中略…
さて、そんな話もあるのだが個人的な考えを記してみたい。上記のエピソードと矛盾するが、中学受験においては、志望校は「親が決めたほうがいい」と思う。
そもそも中学受験をするのは親の考えであることが多いし、親のほうが社会経験があり、判断能力もある、そういう単純な理由からである。どんなに前向きに頑張っている子でも、小学生で人生における中学受験の意味や位置づけを理解している子は少ない。高校生くらいになれば、子どもなりに様々な経験をして、客観的な判断ができるだろうが、小学生には難しい。ただし、本人の納得も必要だから、妥協案は必要だろう。日程的にどっちも受けられるならそれもいい。一月校に合格したらチャレンジしてもいいし、受験機会が複数あれば2回目は受けてみてもいいだろう。いずれにしても、子どもと腹を割って話したらいいと思う。
「校風が合う、合わない」という点は、6年も通うのだから重要な問題である。しかし、あまりこだわるのもどうかと思う。そもそも校風は生徒と先生がつくるものであるから、結局、入学後でないと分からないものである。学校説明会で「校風が気に入った」という話もあるが、学校説明会は受験生にとっては学校を知るためのものだが、学校側からすれば営業活動の場である。学校側が営業活動に熱心かどうかによって印象はずいぶん変わってしまうものなのだ。入学後、誰が担任になるか分からないし、隣の席に誰が座るかも分からない。
それに、どんなにこだわって志望校を選んで入学しても、多感な思春期の数年間には、必ず学校や教師に幻滅する瞬間があり、友人関係の問題も起こる。過度な期待は幻滅の度合いも高める。だから余計な期待はせず、学校は同じレベルの生徒を拘束して、勉強を教える施設に過ぎないと割り切って考え、結果として人間関係や社会生活の基本を学べることもある、というくらいのほうがいいと思う。また、学校選びに熱心な程、第1志望に合格できなかった場合の親の落胆は大きい。それをみて、子供は入学する学校に最初から幻滅してしまうことがある。そうなると、折角の学校生活をつまらなくしてしまう。
そう考えてみると、「場所」「偏差値」「時間割」「付属大学の有無」「部活動」などで、志望校を選んだほうが失敗は少ない。曖昧なイメージより、明確なことで決めたほうが、期待は裏切られないものだ。
なんだか、夢のない話になってしまったが、今までたくさんの子たちを見ての実感だからお許し願いたい。 いずれにしても、思春期の数年間で子どもは別人のように成長するものだし、学校の雰囲気が合わないほうがかえってその子の可能性を開花させることもある。子どもの可能性を信じて、前向きに入学させることが一番なのである。
http://www.tutor-bank.net/faq/oyako/002.html
1.子どもの意見もくみ取る
まだまだ幼い小学生に「人生の進路」を決めさせることはできないにしても、本人の意見をくみ取ることは大切です。
まずは「本人がその学校を気に入っている」というのが大前提です。
よく理由を聞きましょう。「制服がかわいいから」「友達も受験するから」という短絡的な理由で選ぶのは、もちろん論外です。また、一度、その学校を受験すると決めても、まだ子どものですので意見が変わることもしばしばあります。そんなときも、保護者は、感情的にならず、本当の理由を探る必要があります。たとえば、本当は受験したいけど、学力が足りず自信を持てないから、その学校をやめると言っているだけかもしれないのです。2.通学時間
中学入学後はまだ体も小さく、体力もありません。
部活動や課外活動も始まれば、帰宅時間も遅くなります。通学時間は短ければ短い方がいいです。あまりに、通学時間を要する場合、特に、受験勉強や定期テスト勉強においては、不利になります。3.実際に学校を見に行く
パンフレットやホームページどんなに調べたつもりでも、学校に入ってみたら思っていたとは違っていた、ということは必ずあります。
第一志望ではなくても、親子で実際に学校に行ってみて、先生や生徒さんの対応を含めた学校の雰囲気を感じることは大切です。学校説明会は必ず、できれば両親で参加しましょう。4.その学校に通っている人に聞いてみる
これは、非常に参考になります。できたら、何人かに聞いてみるのがおすすめです。
5.大学進学実績をみる。
中高一貫校でも、一部生徒は高校からの入学の場合、大学合格実績は注意して見る必要があります。特に特進や選抜コースでは、高校からの生徒の方が優秀だったりすることも少なくありません。ですので、大学実績の中身が大切です。中学から入学した生徒だけを抜粋した大学実績を把握する必要があります。
6.校則やいじめなどの問題への対応
一般的に学力が高くなるほど、校則は緩くなる傾向があります。そのあたりも、家庭の方針と照らし決めてみることも大切です。
いじめや盗難など、学校に質問すれば、まず「ない、把握していない」と言われるでしょう。とはいえ、実際にいじめ、盗難などの問題行動が発覚した場合、学校とどういった対応をしてくれるのかまで聞いておくべきでしょう。
カウンセラーがいる学校もたくさんありますが、どのように利用できるのかまでを含めて、個別相談会などできいてみましょう。受験業界のプロが考える、「私立中学選びの大切なこと」
学校選びで、誰もいってくれない最も大切なことがあります。
それは、保護者様または子どもが、学校創始者の建学の精神や理念に、感動できたかということ。
公立中学と違って、私立中学は、各学校で大きく特色が違います。その特色も、すべては、建学の精神や理念をもとにできています。
6年間の学校生活です。保護者様にとっても、子どもたちにとって、いつも順風満帆というわけにはいきませんが、そういう思い通りならない困難な時、建学の精神が心の拠り所となります。建学の精神に込められた思いは、計り知れないものであり、時代を超えても、色あせない思いがあります。
受験業界のプロとして、私が実際に毎年指導してきた塾生たちを見ていても、受験した学校の建学の精神に感動、共感した上で、合格して入学した子どもは、学校生活はもちろん、卒業後も、その精神に支えられ、人生を謳歌しているように思えます。
大学入試改革開始を2020年度に控え、中学受験で大学付属校の人気が高まっている。入試改革の不透明さを回避するためだけでなく、大学受験にとらわれることのない教育そのものが「脱ペーパーテスト」路線の高大接続改革を先取りしているからだ。早慶MARCH関関同立の11大学に焦点を当て、大学付属校で学ぶ意義を探る。
第1章 受験競争の猛威を免れた「自然保護区」
第2章 早慶付属校という選択
第3章 MARCH付属校という選択
第4章 関関同立付属校という選択
第5章 一貫教育という「両刃の剣」と大学入試改革
偏差値で選ぶと失敗する理由
志望校は偏差値で選んではいけないと言われています。偏差値で学校を選ぶということは、結婚相手を年収で選ぶのと同じだと言えばわかりやすいかもしれません。偏差値は学校選択するうえでの一側面にすぎません。偏差値は毎年変動します。「隔年現象」と言って、1年ごとに受験倍率と偏差値が上下するのもよくあることです。人気が高い学校は翌年に偏差値ランキングが上がるので、受験を敬遠して倍率が下がります。そしてその翌年は倍率が落ち着いたのを穴場とばかりに受験者が集まるので、倍率と偏差値が上がるというのが隔年現象です。
また、私立中学は生徒を集めるために多くの改革を進めています。たとえば、午後入試の実施、共学化、校舎新設、カリキュラムの大幅変更、新コースの設置、制服デザイン刷新など毎年さまざまな変更があります。そのような変更があった学校は人気が上昇する可能性が高くなります。おおらかな教育方針の偏差値40くらいの女子校で、娘にはレベル的にちょうどいいかと思っていたら、進学校への大幅な路線変更が発表され、偏差値ランキングが10近くアップしてしまったというような相談をよく受けます。
さらに近年、偏差値ランキング自体があてにならなくなってきているのをご存じでしょうか。私立中学の入試改革が進み、入試では各学校ともに個性的な問題が増えています。特に増加中の記述問題は各学校によって出題傾向の差が大きく、すべての中学入試の平均的な問題である模試の偏差値で入試の合否判定を測りにくくなっているのです。
学校見学で受けた印象や直感は、意外と正しい
私立中学の魅力は、個性的な教育理念にあります。教育理念は学校の校風となっています。似たような偏差値の学校でも、校舎の雰囲気や先生方、在校生のカラーはかなり異なります。したがって、成功する志望校選びのコツは意外なことに、「個人の感覚」です。学校見学に行った際に、「なんだか好感の持てる学校」と「なんとなく雰囲気がイヤな学校」に分かれるのではないでしょうか。
偏差値が高い学校でも、「うちの子には合いそうもない」という印象の学校もあれば、偏差値が低くても「こんな学校で学ばせたいな」という印象を受ける学校があると思います。そしてその印象や直感は「意外と正しい」のです。
いちばん大事なのは子ども本人の気持ちです。親が気に入った学校でも子どもの反応は今ひとつということもよくあることです。でも、親子ともに気に入る学校はきっと見つけられるはずです。受験学年になるまでに、多くの学校を見学することをおすすめします。
こだわりポイントをチェックする
自分だけのこだわりポイントはあるでしょうか。もしあれば、偏差値に縛られない学校選択をしやすくなります。「温水プールは外せない」とか「ITに力を入れている学校がいい」など、こだわりたいポイントを書き出しておき、その条件に似合った学校をピックアップしていくとよいでしょう。そのうえで、どのような点をチェックすればよいのかを以下にまとめました。参考にしてみてください
・教育理念、学校のカラー(指導方法、校則、自主性の尊重度合い など)
・宗教(カトリック系、プロテスタント系、仏教系 など)
・大学付属校なら、系列大学への進学率
・入りたい部活の活動状況
・通学のしやすさ(通学時間の電車の混み具合、所要時間、乗り継ぎ など)
・カリキュラムの特色
・施設の充実度
・最近の大きな変化(共学化、校舎新設、カリキュラムの大幅変更、新コース設定、制服デザイン刷新 など)
・在校生、卒業生からの評判さて、いかがでしたでしょうか。偏差値は水ものです。偏差値ランキングと我が子の成績を見比べて、受験校を検討するのは小6の夏以降です。学校見学で多くの学校の校風を体感し、ファンになれるような学校を見つけて、子どもの性格にふさわしい学校を「志望校」にしてくださいね。
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