重松清のくちぶえ番長は素晴らしい。私の小学生時代に似た経験は全くないけど、ノスタルジーを感じてしまいます。

重松清のくちぶえ番長は素晴らしい。私の小学生時代に似た経験は全くないけど、ノスタルジーを感じてしまいます。

これぞ、重松清ワールドですね。

「くちぶえ番長」を「とんび」「卒業ホームラン」とともに、重松清・三部作に認定したいぐらいです。

長女が興味を持った「追伸」もいいですし、「その日のまえに」や「流星ワゴン」もいいんですけど、次点かな、やっぱり。

何が良いって、いろいろな要素が詰まっているところですね。何かしら共感できるストーリーが、スカッとするタッチで描かれているから、爽快感があります。

勇気がなく一歩を踏み出せないときの葛藤や、淡い恋心や男同士の友情から、弱いものいじめしかできない上級生、お父さんの死や、おばあちゃんの介護、などなど、まさに「定番の宝石箱や(彦摩呂風)」という感じです。

この本が中学受験の定番になっている理由がよくわかりました。

長男は読んで、面白かった、と言っていて、それはそれでいいけれども、面白かったの一歩先は表現できるのでしょうか。難しいですね。偉そうに言うけれども、私自身も、当時、このレベルの読解力はなかったと思います。国語苦手だったし。

 

くちぶえを吹くと、涙が止まる――

くちぶえを吹くと涙が止まる。大好きな番長はそう教えてくれたんだ――。懐かしい子ども時代が蘇る、さわやかでほろ苦い友情物語。

小学四年生のツヨシのクラスに、一輪車とくちぶえの上手な女の子、マコトがやってきた。転校早々「わたし、この学校の番長になる! 」と宣言したマコトに、みんなはびっくり。でも、小さい頃にお父さんを亡くしたマコトは、誰よりも強く、優しく、友だち思いで、頼りになるやつだったんだ――。サイコーの相棒になったマコトとツヨシが駆けぬけた一年間の、決して忘れられない友情物語。

 

本筋とは違いますが、この本は、重松清の体験に基づく話、みたいな書きっぷりになっているんですが、実際のところ、どうなんでしょう。