- 2014/01/30
子どもにマネしてほしくないマイナス思考、確かにそうかもしれないけど、だから何なの、って感じ。
「分類して自己満足」しているだけのようにしか見えないんですけどね。 http://allabout.……
「中学受験の学力について、どうすれば成績が伸びるのか」
中学受験レベルの問題を解く力は、ある一定までであれば、基礎の反復によって、必ず伸びます。伸びなかったとすれば、やっていないだけです。
中学受験に限らないと思うのですが、勉強というのは、以下の3段階で構成されていると思います。
・インプット
・アウトプット
・構造化
インプット:
インプットは文字通り、基本的な知識や解き方のパターンを覚えることです。このインプットの成果がある程度出るようになってはじめて受験生と言えるでしょう。逆に、厳しい言い方をすると、このインプット作業ができていなければ、受験する意味がないです。中学受験させるべきかどうかの判断基準の1つで、本人に才能があるかどうかと言ったのは、このインプットするに耐えうるだけの能力かやる気があるかということに他なりません。
時期によって、インプット作業による到達レベルはまちまちですが、全カリキュラムが終了した時点で、日能研の理科と社会で言えば、メモリーチェックがほぼできているレベルです。そして、このレベルで、受験生の平均は超えると思っています。つまり、メモリーチェックができれば、偏差値50超といういことになります。
私自身は、この人のブログを読むたびに、自慢の多さとプロの家庭教師だと言うのに文章の下手くそさにイヤな気分になっているのですが、メモリーチェックを繰り返せという主張には同意します。
基礎だけで平均を上回ると言っていることは、半数はこの基礎をクリアしていないということとほぼ同じことです。もったいないなぁ。なんで、みんなやらないんだろう。恐らく、カリキュラムが早すぎて、次々と新しいことを詰め込まれ、消化不良になっているか、そもそも中学受験すべきではないのに、親の強い意向でやらされているかじゃないでしょうか。
実は、このレベルは、徹底的な反復練習で到達できるからです。繰り返しますが、反復練習を真面目にやってもできないとか、そもそも反復することができないというのは、小学生という時期に受験するのは向いていません。キャチボールできない、もしくは、しようとしない子に、野球を本格的にやらせるようなもんです。
そして、このレベルへの到達点はひたすら繰り返しです。エビングハウスとの戦いです。
忘れそうなタイミングで、再度、反復練習するというのが基本です。実は、もともと、中学受験のカリキュラム全体が螺旋階段状になっているので、意識しなくても、自然と繰り返しになっているはずですが、それより細かい単位で復習したほうがいいと思います。復習テストを小まめにやるスタイルの塾なんかはある程度、強制力があっていいかもしれません。
アウトプット:
アウトプットは少しレベルが上がります。知っていることの中から、適切なものを選んだり、答えにする際に問題文に合わせて変形したりする作業です。これは、インプットが不十分だと、訓練しても効果はほとんどないです。道具が揃っていないのに、DIYを始めるようなもんです。ドライバーなしで、大工はできまさんよね。
インプットができている前提で、いろいろな応用問題にチャレンジしていきます。なかなかハイレベルです。解いてみれば、すぐにわかりますが、大人だって解答なしで正解するのは難しいです。
ここを乗り切るポイントは、原理説明、諦め、基礎の反復です。
まず、子どもが間違えたり、解けずに悶々としていたら、どのインプットを使うのかを、その理由とともに教えましょう。解説がある程度丁寧なら、解説を読ませるというのが良い手段です。親が教えようとするのはリスクが高いです。だって、難しいですから。これ、算数が苦手なお母さんが教えようとしたら、結構な悲劇です。いや、喜劇かな。教えているほうが訳わからず、しどろもどろですから。
次の手段は、諦めるです。この問題は今はできない、ということでなかったことにします。時期が来れば解けるようになるかもしれません。万が一、最後まで解けなくても、たった1問できないだけで、落ちることはないです。他のが十分にできてさえいれば。悶々とするより忘れるほうが精神衛生上、良いと思います。もちろう、時期をみて、再度、挑戦することは言うまでもありません。必要以上の完璧主義は不要です。
じゃあ、何するのか。その問題を解くために必要な基礎を反復練習します。読書百遍とも言うように、簡単なことも繰り返すことで、その使い方もわかるようになってきます。子どもって、凄いです。
たまに、このアウトプットで学ぶべきものを無理矢理公式化して、インプットに変えようとしているケースもありますが、微妙なところです。例えば、この図形の面積を正方形の面積の0.57倍と覚えさせちゃうようなやり方です。その理由をわかったうえで、覚えるのならばいい、もしくは、何度も反復して問題をやることで自然と覚えてしまうというのならばいいのですが、これを丸暗記というのは、おすすめはしません。円周率が22/7とかになったら、おしまいですし、応用が利きません。短期的な効果があるので、覚えろと言っているブログも多いみたいですけど。
構造化:
自分で構造化ができるようになったら、もう親の手は離れています。どんなに頑張っても勝てないですし、勝つ必要もないです。実は勉強をする一番の目的なんじゃないかとさえ、思います。社会人だって、自分自身を含めて、自分の中で知識を整理するというのは難しいです。インターネットでわかる付け焼き刃の知識を、パワーポイントでお化粧するだけのプレゼンとかコンサルって多い気がします。反省。
この域まで達すれば、自分で学んだことを整理して、自分なりの意見というのを持つことができます。インプットとアウトプットを極限まで鍛えれば、御三家も受かると思いますが、社会で通用する基本的なスキルは、この構造化する能力なんじゃないでしょうかね。根拠のない推論ですが、御三家に入っても、入学後に伸びずに、大学受験や社会に出て成功しない子どもはこの能力を鍛えることを怠ったからじゃないでしょうか。(もちろん、コミュニケーション能力に難がある場合も多いでしょうが。)
大切なことは2つです。
1つは、小学生はこれらをどういう順番でやればいいか、自分で計画を立てることができないということです。もう1つは、前のステップが不十分なときに次のステップに進んでも効果はないということです。
今、どんな勉強したらいいかを、子どもの状況を考えて選択してあげることです。これは教科ごとで現在地が違うかもしれませんし、同じ教科の中でも単元ごとに違うかもしれません。それを見極めて、どの勉強法をするのかを考える必要があると思います。塾はカリキュラムに完全についていけている子どもにはいいかもしれませんが、いったん遅れると、同じやり方を続けても立ち直れません。カリキュラムに追随しない勇気を持って、指導することが大切な気がします。
恐らく、個別指導や家庭教師で効果を出しているケースって、子どもの状況を把握して、いったん前に戻ってやり直すことで立て直しているということにつきる気がします。
参考までに我が家の場合:
そこそこ賢いんじゃないかと思っていましたが、偏差値は正直で、5年生の頃はかなり目標に届いていない悲惨な状態でした。さすがに、能天気な私も、ポテンシャル期待では無理だと言うことを気づいて、6年生の夏休みから、徹底的なインプットの反復練習をはじめました。もともと、「構造化」を自分でできるようになって、社会に出ても通用する人間になるということが中学受験の究極の理想像だったこともあり、プリミティブな作業をするのには抵抗が少なからずあったのですが、背に腹は代えられませんでした。
結局、メモリーチェックは夏休み終了時点で、4周ぐらいしたような気がします。算数も四科のまとめを間違えた問題を記録しておき、間違えた問題は何度が解かせました。
その結果が上のグラフです。とある塾の公開模試の偏差値の推移で、目盛は偏差値5で、目標偏差値というのは、いい感じ校Bの80%合格ラインです。プチ・ビリギャルじゃん。
結局、基本の徹底が重要ってことで、それについてはかなりの確信があります。もちろん、受験生なんで、良いと思う対策は取捨選択をしながら複数実施しているので、基本の徹底の効果が何%だったのかなどということは明確には言えないのですが、参考にできるようであれば、参考にしてください。
「構造化」の域には達することができませんでしたが、いい文章を書けるようになったので、満足しています。
参考にした情報など:(これらの方法が必ずしも良いと思っているわけではないです。)
エビングハウスの忘却曲線という用語は、中学受験に関わっている方ならどこかで耳にしたことがあると思います。これは、授業なり演習なりの後に、何もしないとどの程度頭から抜けていくかを示したグラフと理解されるケースが大半と思います。
しかし実際は違います。エビングハウスが行なった実験における記憶対象は、意味を持たないランダム文字列なのです。丸暗記以外に記憶方法がないものなのです。そこには理解というものは存在しえないのです。
授業や演習では、理解が介在しますので、あの曲線ほど一気に忘れることはないと思います。例えば歴史年号なら、そのままでは意味を持たない数字の羅列に過ぎず エビングハウスの忘却曲線並みに忘れてしまうかもしれませんが、実際にはそうはならないでしょう。歴史の流れの中での数字やゴロ合わせのように、脳にフックを掛けることを心掛けていれば、あの曲線ほど急激に忘れないと思います。
定期的に振り返る復習は大切と言うことを言わんがために持ち出されることが多いエビングハウスの忘却曲線ですが、そもそもの前提が違うことを知っておくことも大切と思います。とはいえ、復習は最も大切という結論は、変わりません。もっとしっかり復習してくれよ、長男次男に感じているのも変わりません、、、
偏差値は復習する勉強法が効果的
中学受験で偏差値を上げるには、家庭での勉強法が最も重要になります。なぜなら塾や家庭教師で勉強する時間よりも、家庭での勉強時間の方が圧倒的に多いからです。家庭学習で重要なこととしては、復習中心の勉強をすることになります。勉強で最も重要なことは、覚えた知識を定着させることになります。せっかく覚えたことを忘れては、どんなに勉強しても偏差値は上がりません。偏差値が高い子供は、そのことを良く知っているので復習をしっかりと行います。
中学受験では、覚えることが多く新しい勉強を始めたくなります。しかしそれを我慢して、復習をしっかりと行うことが偏差値アップに繋がります。理想としては、予習が3割で復習が7割の勉強時間を取ると良いでしょう。
復習のポイントとしては、間違えた問題を中心に行うことがあります。理解できていることは、何度も勉強する必要はありません。間違えた問題を理解することで、確実に偏差値を上げることができます。
間違えた問題は、1回2回の復習では知識が定着していない可能性が高くなります。何度も繰り返して覚えるまで復習することが、偏差値を上げる事に繋がります。地道な勉強法になりますが、これができている子供は成績が高いです。
http://www.tekelog.com/entry/2015/12/29/103534
塾で伸びない子、2つの共通点。
塾に行っているのに、成績が伸びない子。その原因は一体何なのでしょうか・・・
勉強量が足りていないから?
もともとの能力が他の子とくらべて低いから?
勉強意欲が低いから?・・・いいえ、どれも違います。
塾で伸びない子の特徴、それは2つあります。1つ目の特徴。
塾で成績が伸びない子の1つめの特徴、それは、「大量に問題を解いているだけで、まったく身に付いてない」という点にあります。
この状態を脱するには「勉強のやり方」を大きく変える必要があります。
大量の問題を解くのではなく、“あなたのお子さんにとって”「いま」必要な問題 を1つ1つ確実に身につけていくこと。
つまり、「問題の選び方」と「やり直し」。ここに成績アップのカギがあるのです。
“ でも、その「やり直し」を子どもがイヤがるんです・・・”
そうですね、多くの子どもはやり直しが嫌いです。
なぜでしょうか?・・・その理由は、やり直しがつまらないから。
子どもは、同じ問題を2回やる意味が分からないのです。できなかった問題なんて2度と見たくないと思うものです。だから私は、このつまらない見直しを少しでも楽しんでもらうために「お宝ノート」という手法を考えました。
これは、間違えた問題のみをノートに書き取っておき、それを何日か経ったときにもう一度学習するという仕組みです。
一見、何でもない手法に見えますが、私がこれを、直接 本の中でお子さんに伝えると、やり直しが苦ではなくなります。
「なぜ、やり直しが大切なのか」をていねいに説明しますので、多くのお子さんは、やり直しの大切さに気づき、やり直しをしないと損だな、もったいないなという気持ちになることでしょう。そして2つめ。
塾で成績が伸びない子のもう1つの特徴。あなたも薄々気づいているかもしれません。そう、「基礎学力の不足」です。
これは放っておけば、どんどん勉強が分からなくなり、塾がイヤになり、勉強嫌いになり、そして何より大切な「自信」を失ってしまいます。
基礎力不足。これは土台がしっかりしていない状態で積み木をつみ上げていくようなものです。
こんな状態では、授業も分かりませんし、家に帰って復習(宿題)しようとしても、思うように勉強がはかどりません。・宿題に相当な時間がかかってしまう
・成績がある日を境に伸び悩んでいる
・組み分けテストでいつまでたってもクラスが上がらないそんな子ほど、基礎学力が足りていないのです。
ではこの場合、どのような対策が必要なのでしょうか・・・?答えは単純明快。
いったん塾と距離を置き、分からないところまで戻って、土台から固めていくのです。塾の授業や宿題に日々追われていると、本当に必要な勉強、基礎からの積み上げができず、悪循環から抜け出せません。
まずはお子さんにとって必要な勉強をするための、「時間」と「環境」を確保してあげてください。一見、基礎からやり直すことは、遠まわりに見えますし、勇気も要ります。
塾をはなれることに対しての不安もあるでしょう。
けれども、お子さんのためを思えば、これがいちばんの近道なのです。http://www.juniorhighexamination.com/
誤解1 算数は思考力やヒラメキがモノを言う科目だから、地道な計算練習などはしなくてもよい
これは保護者の皆様と言うよりも、子ども達が勝手に思い込んでいる勘違いですね。特に「うちの子、算数のセンスはあると思うのだけど、思ったほど成績はよくないのよね」というお心当たりのある方は、お子さんがこう勘違いしている可能性が非常に高いです。
確かに算数は、その科目の性質上、「センス」や「数感」といったものが、成績に大きく影響を及ぼす科目です。それゆえ、計算練習などの地道なトレーニングは軽視される傾向にあります。小4くらいまでは、それでも、センスだけで何とかやれてしまうのですが、学年が進むにつれて、計算力がないとできない問題が出てくるようになります。
センスはあるのに、算数の成績が伸び悩んでいる生徒の多くは、実は計算練習を地道にやることを疎かにしているせいで、せっかくのセンスを活かしきることができず、非常にもったいない状態となっているケースがあるのです。
夏休みは学校もないので、比較的時間に余裕があります。毎日計画的に計算練習を積んでいけば、必ず効果はあがります。是非、面倒くさがらず、取り組んでみてください。
誤解2 算数だって暗記科目。解法パターンを丸覚えさえすれば、算数の力は上がるはず
中学生になると、方程式や様々な公式を学びますね。それを覚えるのに苦労した方もいらっしゃると思います。そのイメージがあるせいか、算数も暗記科目であると捉え、同じ問題を何度もやらせて解法パターンを徹底的に覚え込ませようとする保護者の方は、実はとても多いです。
算数も学習のひとつですから、覚えるということと全く無縁ではありません。確かに解法パターンをみっちり覚えていけば、成績は一時的に上がります。何しろ週テストや月例テストでは、その期間に習ったことがそのまま出題されますから、解き方さえ覚えていれば、点数は取れるようになります。ところが、そうやって鍛えた生徒は、範囲のない実力テストや外部模試では、全く力を発揮することができなかったりします。
なぜこのようなことが起こるのでしょう。原因は「思考の硬直化」です。「こう聞かれたときはこう答える」というパターン学習を繰り返すと、脳は定型的な質問に対しては即座に正確に答えられるようになりますが、問題の表現を変えられたり違った切り口で問われたりしただけで、途端に反応できなくなってしまうのです。解法パターンを繰り返しおこなってしまうと、この「思考の硬直化」を招き、かえって算数の力を低下させてしまう危険性があるのです。
そこでお勧めしたいのは、「解法パターン」を反復練習させて覚え込ませるのではなく、「解法ツール」を身体に叩き込むという方法です。
「解法パターン」と「解法ツール」とは一体何が違うのかというと、前者は、たとえば「つるかめ算のときはこう解く、旅人算の時はこう解く」といったように、問題の分類によって分けられているそれぞれの解法のことを指します。一方後者は、「線分図」とか「面積図」といった、解答方法そのものを指します。
なぜこの「解法ツール」をマスターすることが「思考の硬直化」につながらないのかというと、「解法ツール」は「解法パターン」に比べてはるかに汎用性が高いからです。具体的にいうと、たとえば「線分図」は和差算にも倍数算にも分配算にも割合にも流水算を解くときにも使えます。「解法ツール」を学ぶことで拡散型学習が可能となり、切り口や表現を変えられても対応できるようになるのです。
この夏はこれまで習った「解法ツール」を確認してみてはいかがでしょう。
誤解3 算数は経験値がものをいう科目だから、ひたすらたくさん問題を解かせれば力がアップする
これは保護者の皆様のみならず、多くの塾講師も誤解している間違った常識です。この誤解が、大量の宿題につながり、それをこなすのに深夜0時、1時までかかって勉強をするという、中学受験の悪しき習慣を生み出した元凶と言わねばなりません。
忘れてはならないことは、算数の力は「計算力」「思考力」「ひらめき力」「センス」の4つで決まるということです。もちろん「計算力」を身につけるには、「誤解1」にも書きましたが、地道な日々の努力が必要です。しかし計算練習に1時間も2時間もかけるのは無駄ですので、これに時間がかかるということはありません。また「センス」は持って産まれた能力ですから、努力や根性で身につくという話ではありません。では大量の問題を解けば「思考力」「ひらめき力」は身につくのでしょうか。
大量の宿題をこなすことが、「思考の硬直化」を招くばかりでかえって算数の力を減じてしまうことにつながるということは、すでにご説明したとおりです。また大量の宿題をこなすことに精いっぱいの状況が続くと、子供たちは算数を苦役のように感じてしまいます。こうなってくるともう「ひらめき力」は期待できません。ひらめき力は脳がリラックスした状態で高まることが知られています。逆に脳がストレスや緊張を感じている時には、ひらめき力は低下してしまうのです。
さらに、大量の宿題をこなすのに精いっぱいの状態では、ただの流れ作業になってしまい、人は頭を使ってきちんと考えるということをしなくなります。覚えた「解法パターン」に数値を当てはめて計算しておしまいでは、「思考力」が身につく筈はありません。
そこでお勧めしたいのが、自分の実力よりもややレベルが高い問題を5~6問程度選び、1問1問についてじっくり考えながら解くというやり方です。時間に上限を設けて、例えば10分考えてもわからない場合は、解答・解説を見るなり、ヒントを出してもらうなりしてしっかりと解き切るのです。こうすることで「思考力」を身につけることができ、また問題が解けたという達成感から「β-エンドルフィン」という脳内物質が分泌され、脳がリラックス状態に入って「ひらめき力」も高まります。
誤解1 うちは父親も母親も文系だから、子どもが理科不得意でも仕方ない
「理系」「文系」に分けて評価する方法は、広く一般に信じられています。しかしこの区分けは、高等学校や大学における教育での話であり、小学生には当てはまらないのではないかと私は考えています。実際、ついこの間まで理科がものすごく苦手だった生徒の成績が、あるきっかけで急に伸びるというのはよくあることなのです。
実は4科目の中で、理科という科目は一番学習しやすいのです。その理由は理科が、「植物・動物・人体・地層・気象・天体・電流・力のつり合い・熱光音・化学反応・燃焼・物のとけ方」といった12の学習単元の集合体だからです。「力のつり合い」と「植物」には何の相関関係もありません。つまり「植物」が苦手だからといって「理科が苦手」ということにはなりません。もしかしたら「力のつり合い」は得意だけど「植物」が苦手なため、模試で点数が取れないだけかもしれないのです。
そして各単元の中には「理系色」の強いものもあれば、一般常識に近いものもあります。「うちの子は文系だから」と最初から理科をあきらめる必要はなく、そのような場合はまず「理系色の薄い」単元から手をつけていけばいいのです。夏休みは時間もたっぷりありますので、弱点単元を3つ決めて、そこだけを集中して学習し、克服していくようにしましょう。
またたとえ、計算分野が苦手であっても、恐れることはありません。理科の計算分野は、そのほとんどが算数で学ぶ「比例・反比例」に関連があります。中和反応やばねの伸び、天体の運動、電流量や熱量計算といった単元は全て、比例・反比例の考え方で解くことができます。算数の教科書やテキストなどで「比例・反比例」をみっちりと復讐すれば、必ずできるようになります。頑張りましょう!
誤解2 理科も半分は「生物」や「地学」などの暗記分野なのだから、覚えさえすれば成績は上がる筈
学習の大半は「覚えること」ですし、理科とて決してこの呪縛から逃れることはできません。しかし多くの方が「単なる暗記」と「学習による記憶」とをごっちゃに考えてしまっているのも事実です。
「暗記」とは「事物や現象の意味や理解と無関係に反復だけで機械的に記憶すること」を指します。そしてその保持期間は極めて短いという特徴を持ちます。一方、その意味や構造を理解し、知識と知識を有機的に結び付けて覚えると、単なる丸暗記よりも効率的に覚えられ、また長期間保持されます。
この事実に照らせば、「理科の半分は暗記分野なのだから、覚えさえすればいい」と結論付けるのはいささか乱暴だということがわかります。社会の年号暗記などは、数字の羅列に意味はないため、棒暗記に頼らざるを得ません。しかし理科は、原理・原則をきちんと学ぶことができるのです。
誤解3 分冊百科を読んだり、科学系のテレビ番組を見たりするのは、お勉強とは無関係だから意味がない
巷には「分冊百科」と呼ばれる科学系の週刊誌がたくさんあります。その中に、小学生が好みそうなマンガが主体のものもありますね。そういったものをお子さんが読んでいると、「勉強もしないでそんなマンガみたいなもの読むなんて!」と怒られる方もいらっしゃるでしょう。たとえ科学系の番組であろうと、テレビなんてもってのほか、そう思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
先日、ある出版社の方との打ち合わせの時に、うちの塾の本棚に並んでいた「分冊百科」を見て、こんな話をしてくれました。「以前、駒場東邦中に取材に行ったときに、取材した理系の生徒の多くが小学生の頃、「分冊百科」を読んでいたと言ってくれたんです。それがとても嬉しかった」と。駒場東邦中は都内屈指の男子校です。理系の大学進学に強く、医学部にも多数の生徒が進んでいます。こうしたトップ校の生徒の多くが「分冊百科」を読んでいたというのです。私はこの話を聞いて、妙に納得しました。そして理科という科目は座学に頼る必要はないと、私自身改めて確信しました。
理科という科目は、学習者の興味・関心が成績に大きな影響を及ぼす科目です。「理科が好きだ」という生徒に理科が不得意な生徒はまずいません。ということは、理科の成績を上げる最も簡単な方法は、子ども達に理科に対する興味・関心を抱いてもらう、ということになります。お子さんの興味・関心を喚起するツールとして「分冊百科」や「科学系特番」はうってつけだと思います。
誤解1 社会は暗記科目だから、勉強を後回しにしても間に合う
長年指導をしていますと、教師から見てあまり不安なく入試に突入し、順当に合格を取る生徒には、ある特徴があることに気付きます。それはズバリ「4科目のバランスが良い生徒」です。「不得意科目がない生徒」は、安定的に志望校に合格していきます。ということはつまり、「不得意科目を作らないこと」が、志望校合格への近道であると言えそうです。ところが、社会を苦手にしている生徒の中には「社会なんて暗記科目だから、後からいいや」と考えている人が少なからずいます。本当に後からでも間に合うのでしょうか。
…中略…
こんなにも細かい知識を要求されるのに(しかも上位校の場合、上記の問題は基本問題になります)、「まだ間に合う」とのんびりやっていると、ある日突然「もう間に合わないー!」となってしまいます。社会は後からでも、いくらでも追い付ける、という科目ではないことを、保護者の皆様は肝に銘じておいて欲しいと思います。
誤解2 うちの子は暗記力がないから、社会はとても覚え切れない。もう諦めるしかないのでは
たくさんのことを覚えるのって大変ですよね
誤解1の説明を読むと、何だか社会の学習ってとっても大変そうですよね。勉強量も半端なく必要になりそうな気配がします。暗記力がないからとても無理、と思われる方が出てきても、無理ないところでしょう。もちろん学習ですから、楽にいかないこともあります。しかし暗記は、やり方ひとつで効果がガラリと変わることもありますので、諦める必要は決してありません。
暗記の第一のコツは、エピソード記憶の活用です。社会の暗記をおこなうとき、多くの人は一問一答の、単答式で覚えていきます。しかしそれだと効率がよくない上に、時間が経つとどんどん忘れてしまいます。そこで覚えるべき知識をいくつかまとめて、物語(エピソード)にして覚えてしまうとよいでしょう。
…中略…
暗記の第二のコツは、語呂合わせをうまく活用することです。「えっ?語呂合わせ?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、これが案外バカにならない効果を生みます。
皆さんの中には「鳴くようぐいす、平安京」という語呂合わせを、今も覚えているという方がいらっしゃるのではないですか?うまい語呂合わせは強烈に印象に残り、世代を越えて受け継がれます。それは語呂合わせが忘れにくい構造を持っているからにほかなりません。語呂合わせは、短い文章自体がきちんと意味を持っています。意味があるために記憶に残りやすいのです。これはエピソード記憶が頭に残りやすいのと同様の原理です。数字の羅列に意味を持たない年号などを覚えるときに特に効果を発揮します。
しかし「鳴くようぐいす、平安京」ですと、「794年に平安京に遷都」という情報しか覚えられませんね。できれば短い文の中に情報をできるだけ詰め込みたいもの。そこでおすすめなのが、既存の語呂合わせや塾の先生に習ってきた語呂合わせに、自分なりのアレンジを加える方法です。たとえば「鳴くようぐいす…」の例なら、「鳴くよ感(かん)動、平安京」とすることで「平安京へ遷都した天皇は桓武天皇(かんむてんのう)である」という情報も加えることができ、情報量が1.5倍になります。なによりも、自分で考えた語呂合わせは、愛着も湧きますのでますます忘れにくくなること請け合いです。
暗記科目は、棒暗記をしようとすると、楽しくありませんしすぐ忘れてしまいますので、モチベーションが上がりにくく、効果も薄いです。「エピソード記憶」や「語呂合わせ」をうまく活用し、家族で楽しく覚えるように心がけてください。お子さんがまだ4・5年生ならば、日本国内をいろいろと旅行して、体験しながら学ぶとより一層効果的です。頑張りましょう!
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